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国連も懸念する北朝鮮のコロナ

Posted April. 06, 2020 08:07,   

Updated April. 06, 2020 08:07

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世界が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で動揺している。すでに感染者が100万人を上回り、「コロナ経済危機」は現実になっている。しかし、北朝鮮は「感染者はいない」とし、「コロナクリーン国」を連日強調している。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、国際社会の北朝鮮に対する懸念は強まっている。先月末、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁委員会は、北朝鮮への人道支援業務の促進に向けて制度の改善に乗り出した。国連制裁に抵触する品目を支援するには制裁委の「制裁免除」の承認が必要だが、制裁委がこれを承認する期間をこれまでの業務日基準5日から2日に減らすことで合意したという。北朝鮮の制裁違反を監視する制裁委が、新型コロナウイルスと関連して北朝鮮に「便宜」を図ったのは、それだけ北朝鮮の感染状態を懸念しているからだ。

実際に最近、国際社会の新型コロナウイルス関連の北朝鮮への支援の動きも活発になっている。制裁委のウェブサイトによると、新型コロナウイルスの防疫目的を具体的に指摘して人道支援を申請し、制裁免除を受けたケースが現在4件にのぼる。

すでに北朝鮮への支援の意向を明らかにした米国は、北朝鮮内で感染症が発生しているとみている。ロバート・エイブラムス在韓米軍司令官は2日、CNNなど外信とのインタビューで、「(北朝鮮に感染者がいないということは)私たちが見たすべての情報に基づいてみると、不可能な主張だ」と断言した。

 

しかし、北朝鮮は依然として感染者はいないとし、「隔離者の数も減っている」と主張している。新型コロナウイルスをめぐる国際社会の人道支援の受け入れを拒否しているのではないかという見方もある。

北朝鮮が信じ難い主張をするのは昨日今日のことではない。しかし、新型コロナウイルス関連の北朝鮮の主張は、北朝鮮だけでなく国際社会においても危機として迫るということが問題だ。例えば、今は新型コロナウイルスで中朝の国境が封鎖されているが、中国内の感染者が引き続き減り、北朝鮮内の需用品の不足が深刻になる場合、再び開かれる可能性が高い。そうなると今度は北朝鮮からの新型コロナウイルスの再流行の可能性も考える必要がある。何よりも北朝鮮で新型コロナウイルスの感染者と死者の統計が徹底して秘密されているために出てくる心配だ。

北朝鮮は2018年、非核化交渉の場に出て国際社会の一員になりたいと表明した。しかし、最近の新型コロナウイルスをめぐる秘密行政を続けるなら、国際社会の信頼を得ることは難しくなる。手遅れになる前に、北朝鮮が新型コロナウイルスの事態でもう少し開かれた態度をとることを期待する。


韓基渽 record@donga.com