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世界経済は2008年の金融危機を超える実物・金融複合危機の恐怖

世界経済は2008年の金融危機を超える実物・金融複合危機の恐怖

Posted March. 14, 2020 08:05,   

Updated March. 14, 2020 08:05

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COVID19による経済危機の懸念で、株式市場が連日暴落している。昨日、韓国証券市場は取引開始直後から垂直落下して、史上初めて一時取引を停止する「サーキットブレーカー」が総合株価指数(コスピ)とコスダックで同時に発動した。前日、米国証券市場は1987年の「ブラックマンデー」以来、最大の暴落を見せて、1週間で18%も下落した。世界経済が2008年の金融危機を超えて、実物と金融両方共に崩れる複合危機に陥っているという診断が出ている。

消費が麻痺し、輸出と生産が行き詰まり、実体経済は悲鳴を上げている。各国が感染症の恐怖で、旅行と交易の扉を閉ざしたために直撃を受けた航空・海運・物流業界は、稼働率が20%にも満たない。1997年の通貨危機の時より深刻な資金難のため、産業崩壊まで懸念される。先月、韓国を訪れた中国人観光客は前年に比べて76%も減少し、乗用車販売、百貨店や量販店の売り上げも、20〜30%ずつ激減するなど、内需業種も倒れる寸前である。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、経済省庁の長官と韓国銀行総裁までを招集して、特別点検会議を開いた。文大統領は、「今はMERSやSARSとは比較にならない緊急経済状況だ」とし、「これまでにない対策を作らなければならない」と指示した。政府は、株価急落などの金融市場の不安を軽減するために、6ヶ月間空売りを禁止することにした。韓国銀行も政府と協力して、韓米通貨スワップの締結、金利引き下げなどの市場安定対策を打ち出す必要がある。

官民が全力で対応しても足りないのに、補正予算の規模を巡って、政府与党は不協和音を出している。与党「共に民主党」の李海瓚(イ・ヘチャン)代表は11日、非公開最高委員会議で、洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相に対して、「このように消極的に出ると、引き下がってもらうと要求するかもしれない」と強く批判したという。洪副首相は、その翌日フェイスブックに、「耐えられる範囲内で取り組んでいきたい」と反論するなど、破裂音が続いた。今がそうすべき時なのか。

1929年の世界大恐慌を思い浮かべるほど、市場の恐怖が限界に達するときは、果敢かつ迅速な対応が必要だ。それにも拘わらず、補正予算案をめぐって、与野党も異見をさらされており、17日に会期が終了する臨時国会で処理できるかどうか不透明だ。今は、政府と与野党が補正予算案をめぐって議論を繰り広げる時ではなく、緊急事態を乗り越えられるように、一日も早く現場で応急処置を取らなければならない時だ。