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新型コロナで中国の政治改革が新しい旅を開始するだろうか

新型コロナで中国の政治改革が新しい旅を開始するだろうか

Posted March. 11, 2020 08:07,   

Updated March. 11, 2020 08:09

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武漢から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID19)が全世界に広がっている。世界のほとんどの人が、COVID19を巡る懸念と恐怖に陥っている。1月23日に中国が武漢を封鎖後、現在まで、中国のCOVID19の感染者と死亡者は著しく減少している。しかし、7週間、中国社会は大きな変化を経験した。国、政府、生命、個人の行為に対する中国人の認識と観念、感情が7週間、爆発的に噴出された。これは珍しいことである。

1990年代初め以来、私は中国市民の感情がこのように激しく変化するのを見たことがない。国、社会、個人の運命、この三つの部分についての中国人の考え方が素直に変わった。COVID19に襲われ、中国人の市民意識、個人の自由と平等の感情が噴出した。コロナに襲われた中国は最近、中央政権統制が強化されたが、ほとばしる民意に直面して統制に慎重になった。おそらく未来の人々は、中国の2020年をCOVID19によって3000人以上が死亡した事実だけでなく、自由と国の民主化に向けた中国人の心が熱く盛り上がった年として記憶するだろう。

中国の民衆は、COVID19事態の初期からこんな質問を投げかけた。なぜ昨年11月にCOVID19が発生してから、しばらく経った今年1月23日になってようやく武漢を封鎖し、全面的に対応したのか?その真相は一体何なのか?誰が手遅れの対応の責任を負うべきか?武漢が封鎖され、湖北省の大半の都市への移動制限措置を実施後、患者の治療がどのように進められたのか?COVID19と関連した真実は何なのか?武漢と湖北省の政府官僚が官僚主義の弊害を表わしたなら、北京の疾病予防統制センターと中国中央政府は、コロナへの対応初期のミスについてどのような態度を取るべきか?

中国国営メディアは、前向きな声一辺倒だ。しかし、メディアの財新と多くの中国の民間関係者は、政府が社会的、政治的に動員した宣伝運動とは距離を置いてきた。続いて、COVID19の状況について真面目なニュースを伝えてきた。武漢の女流作家・方方は、日記形式で武漢から見て聞いた話を記録した。中国の集権主義体制がもたらした「両面性」(統制と動員能力が強く、情報を大きく統制する)について、率直に批判して指摘した。

先月7日、「ホイッスルブロワー」医師・李文亮がこの世を去り、1カ月が過ぎた今月7日、再び中国の民意が激怒した。王忠林武漢書記はまだ状況が深刻な武漢市民に対して、「共産党の恵みに感謝し、(習近平)総書記の恵みに感謝しなさい」と求めて、恨みを買った。

中国の憲法と中国共産党の党章は、政府が人民のために奉仕することを強調する。官僚は、人民の公僕である。しかし、武漢の最高官僚は武漢市民に対して、「恵みに感謝すること」を要求した。1912年前の君主制時代の中国と一体何が違うのか聞きたい。

君主制時代の中国では、平民である民衆がひざまずいて皇帝の「限りない恩」に感謝した。幸いなことに、中国は武漢書記の方式の愚かさに気づき、すぐにインターネット上で関連コンテンツを削除した。COVID19の中で、中国の民衆は、人間性と自由の価値に従う民意を表出して勝利を収めた。

ここ数年間、中国経済は急速に成長した一方、中国国内政治の「新権威主義」は後退しており、人々を失望させた。これは、中国の政治エリートたちの中国統治への理解を示している。中国は人口が多く、複雑な問題が山積していて、民意と社会主張を政治エリート主義の軌道で統一させてこそ、継続的な「中国崛起」が可能だという。しかし、このような観点は、まさにグローバル化と国際化の二重衝撃にさらされている中国で、自由と真実などを渇望する民衆の要求をなおざりにしている。

COVID19による中国の苦難はまだ終わっていない。しかし、民意と政府の対決は、中国が政治改革を図り、自由、法治、公平な政治制度を立て直せるという希望を示した。最近、中国のインターネットで面白いジョークが流行している。なぜ中国政府が外出のたびに、皆マスクをつけるように求めているのか?答えは、すべての中国人が「ほらを少なめに吹き、反省させる」ためだ!