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致死率高く医療空白避けられず、「MERSにそっくり」

致死率高く医療空白避けられず、「MERSにそっくり」

Posted March. 07, 2020 08:25,   

Updated March. 07, 2020 08:25

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新型コロナウイルス感染症(COVID19)の発生初期から、専門家らが最も危険なシナリオに挙げたのが「院内感染」である。院内感染は、医療機関で細菌やウイルスによる感染が起こることを言う。入院中の患者は免疫力が弱く、感染に脆弱である。医療スタッフの感染で病院が閉鎖されると、医療空白を避けることができない。このような事例が増えれば、地域社会の感染症治療システムは一瞬のうちに崩壊することもありうる。

2015年のMERS(中東呼吸器症候群)事態は、院内感染の危険性を示す代表的事例といえる。当時は発生患者186人のうち172人(92.5%)が医療機関で感染した。最初のMERS患者は平沢(ピョンテク)聖母病院を訪問して28人を感染させた。2次感染者である14番患者によって、三星(サムスン)ソウル病院で85人の感染者が発生した。また、他の2次感染者である16番患者も、テチョン病院と建陽(コンヤン)大学病院で計23人を感染させた。

このように伝播力が大きい理由は、病院という場所の特殊性のためだ。金宇柱(キム・ウジュ)高麗(コリョ)大学九老(クロ)病院感染内科教授は、「病院を訪れる多くの人が基礎疾患があったり、高齢の健康脆弱階層である。免疫力が弱いこれらの人は、感染症にかかりやすい」と説明した。MERSの時も、患者186人のうち、半数近い82人(44.1%)が、他の疾患で治療を受けていた患者だった。

院内感染は致死率も高い。MERSの14番と16番患者によって感染した患者のうち、22人が死亡した。致死率が21%に達している。鄭錡碩(チョン・ギソク)翰林(ハンリム)大学聖心病院呼吸器内科教授は、「外来・入院患者の多くは慢性疾患患者である。重症や救急患者も多い。臓器不全の状態で感染症にかかれば致命的である」と指摘した。

院内感染のもう一つの問題は、医療スタッフの感染による医療空白である。感染または接触によって複数の医療スタッフが長期間隔離されれば、病院は本来の機能を果たすことができない。COVID19患者が集中的に発生した大邱(テグ)では、初期に大学病院5カ所のうち4ヶ所の救急救命室が閉鎖された。このため、緊急・重症患者が適時に治療を受けられないことが発生した。

オム・ジュンシク嘉泉(カチョン)大学吉(キル)病院感染内科教授は、「救急救命室には感染症よりもはるかに緊急で、すぐに命にかかわる患者が来る。病院の中で感染が広がったときに最も恐ろしいことは、病棟の閉鎖がドミノのように起きて、地域の医療システムが崩壊しかねないことだ」と指摘した。


李美智 image@donga.com