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「両親も妻と自分も…」一家感染の中国のドキュメンタリー監督が涙の遺書

「両親も妻と自分も…」一家感染の中国のドキュメンタリー監督が涙の遺書

Posted February. 18, 2020 08:02,   

Updated February. 18, 2020 08:02

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「父が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でひどい呼吸困難の症状が現れたが、病室がなかった。父が亡くなった後、心身共に疲弊した母も感染し、父を追うように逝った。無情な新型コロナは、愛する妻と私まで飲み込んだ。いくつかの病院を転々とし、泣いて頼んだが、どうしようもなかった…」

ドキュメンタリー監督で湖北省映画制作所対外連絡部主任の常凱氏(55)は14日、死亡する前、大学の同窓生にこのような遺書を残した。中国メディア「財新」が17日に公開した遺書の最後の内容はこうだ。「私は生涯、息子として親孝行し、父親として責任を全うし、夫として妻を愛し、人として真実を貫いた。もう私が愛した人々、私を愛してくれた人々と永遠にお別れする・・・」

両親と暮らしていた常凱氏夫妻は、春節(中国の旧正月)前日の先月24日、皆で夕食を食べた。翌日、父親に症状が現れたが病室がなかった。家に戻った父親は常凱氏と姉が看病したが、3日後に亡くなった。その後、今月2日に母親、14日未明に常凱氏、同日午後に姉が死亡した。常凱氏の妻は症状が重く、集中治療室(ICU)にいる。父親が死亡して17日後に新型コロナで一家族が崩壊したのだ。英国に留学中の息子だけ無事だった。

常凱氏の大学同窓生は、「この惨劇を伝えたい。誰が誤ったのか最後まで責任を問う」と憤った。財新は、「病室不足で家で待つ患者が少なくない。この過程で家族、さらに住居の集団感染が続き、感染者が恐ろしい速度で増加した」と指摘した。また、「一家族が死亡した惨劇が、一つや二つのケースではない」と批判した。

香港の明報は17日、北京の消息筋を引用して、「先月12月末に原因不明の肺炎の発生を確認した中国疾病予防管理センター(CDC)が、先月初めに国家衛生健康委員会(保健福祉部)など中央指導者に「このウイルスはSARS(重症急性呼吸器症候群)と非常に似ており、中央がはやく公共の場所の防疫および統制措置をとらなければならない」と報告したと伝えた。

しかし、7日に習近平国家主席が開いた中央政治局常務委員会会議で、指導部は「パニックを煽るな」、「春節ムードに影響を与えるな」と指示したと、明報が報じた。同消息筋は、「権力上層部の深刻な判断錯誤によって、防疫統制の機会を逃した」と指摘した。一方、習氏の退陣を主張した許志永氏が15日に逮捕されたという。批判世論が高まると、中国が公安政局を作り始めたという観測が流れている。


尹完準 zeitung@donga.com