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米CIA、暗号化装置の販売で多国の機密を収集

米CIA、暗号化装置の販売で多国の機密を収集

Posted February. 13, 2020 07:47,   

Updated February. 13, 2020 07:47

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米中央情報局(CIA)が、暗号化装置を販売してきたスイスの会社「クリプトAG」を秘密裏に所有し、数十年間、世界120ヵ国以上の機密情報を収集してきたことが明らかになった。韓国や日本など各国政府が信頼して使ってきた暗号化装置が、CIAが植え付けた操作プログラムによって情報提供通路に変質していたことが分かり、大きな衝撃を与えた。

米ワシントン・ポストやドイツ公共放送ZDF、スイスSRF放送は11日、CIAとドイツ情報当局の機密文書を入手し、「CIAが旧西ドイツの情報機関BNDと手を握り、クリプトの暗号化装置を利用して、同盟と敵国を問わず他国の暗号通信文を解読し、機密情報を収集した」と暴露した。クリプトは、第2次世界大戦中、米軍のための暗号化装置を生産し、政権と関係を築いた。クリプトの顧客は、同社の実際のオーナーがCIAであることを知らずに装置を購入した。1970年代からは米国家安全保障局(NSA)も機密奪取に加担した。

 

米国は1950年代、中国、ソ連、北朝鮮の暗号を解読できない「暗号暗黒期」に入ると、「ルビコン」という名のこの作戦を推進した。米国とドイツは、クリプトを運営するために両国の看板企業のモトローラとシーメンスを引き入れた。西ドイツ情報当局は、1990年の統一後、ルビコン作戦から手を切り、CIAは2018年にクリプトを売却した。しかし、まだ約10ヵ国がクリプトの装置を使っているという。

CIAとBNDは、各国の機密情報を取得し、装置販売料から数百万ドルを得た。1981年のクリプトの最大顧客はサウジアラビアだった。そして、イラン、イタリア、インドネシア、イラク、リビア、ヨルダン、韓国などが後に続いた。同紙は、「1980年代に米情報機関が得た海外の情報の40%ほどがこれを通じて入手された。CIA史上最も大胆な作戦だ」と指摘した。

 

米国は1979年、イラン・テヘランの大使館で起こった444人の米国人人質事件の時、ルビコン作戦を通じてイスラム律法学者を監視した。1982年、英国とアルゼンチンが大西洋のポートランド諸島で行った戦争の時も、アルゼンチン軍の情報を取り出して英国に渡した。南アフリカ共和国の独裁者の暗殺や、1986年のドイツ・ベルリンのナイトクラブで爆弾テロが発生してリビア首脳部が祝う過程も、米国の手に入った。波紋が広がると、「中立国」スイスは直ちに捜査に着手した。AP通信は先月15日、スイス政府がこの事件を検討するために前大法院(最高裁判事)判事を任命し、6月までに調査結果を公開すると報道した。


朴湧 parky@donga.com