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1秒に映画82本を転送…三星、超高速Dラムを世界で初披露

1秒に映画82本を転送…三星、超高速Dラムを世界で初披露

Posted February. 05, 2020 08:13,   

Updated February. 05, 2020 08:13

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三星(サムスン)電子は、次世代スーパーコンピュータ、人工知能(AI)ベースの高速データ分析などに活用が可能な超高速Dラム「フラッシュボルト」を発売したと、4日明らかにした。この製品は、フル(Full)HD級映画(5GB・ギガバイト)82本をわずか1秒で転送できる過去最高性能のメモリ半導体だ。

世界半導体市場の需要の半分以上を占める中国市場が、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)に苦しむ状況の中、半導体業界では半導体業況の改善の勢いが折れるのではないかと心配している。このような状況の中、三星(サムスン)電子は技術革新を前面に出した「超格差戦略」で危機を克服する計画だ。

●「後発走者との技術格差をさらに広げる」

同日、三星電子が公開したメモリ半導体新製品・フラッシュボルトは、「第3世代16GB・HBM2E(高帯域幅メモリ)Dラム」である。三星電子が2017年12月に世界で初めて開発して発売したアクアボルト(第2世代8GB・HBM2Dラム)より、速度と容量がそれぞれ1.3倍と2倍向上した。

半導体業界の関係者は、「HBM・Dラムは、現存するDラムの中で最も技術力が高いと評価される製品であり、グローバル企業の中でHBM製品を発売したのは三星電子が唯一だ」とし、「研究開発目標の設定とその方法、製造ラインの運営とシステムなど全てを変化させる三星電子の『超格差戦略』の底力が再び証明された事例だ」と語った。

HBMは、AIサービス用スーパーコンピュータ、ネットワーク、グラフィックスカードなどのプレミアム市場に最適のソリューションを提供する高帯域幅のメモリを意味する。この製品は、Dラムチップを一般紙の半分のレベルに削った後、数千個の微細な穴を開けて、上下のチップの穴を垂直に接続する最先端のパッケージング技術「TSV(Through Silicon Via・シリコン貫通電極)」を適用したことが特徴である。この技術を適用すれば、一般D-RAMに比べて、データ処理速度を大幅に向上させることができる。

三星電子の崔鐵 (チェ・チョル)メモリ事業部戦略マーケティング室副社長は、「過去最高性能の次世代Dラムパッケージの発売により、急成長するプレミアムメモリ半導体市場で事業競争力を維持し続けることができるようになった」とし、「さらに差別化されたソリューションを提供して、独歩的な事業能力を強化していきたい」と語った。

●「新型コロナ、当面は供給に影響ない」

同日、世界市場調査会社・Dラムエクスチェンジは報告書を通じて、「新型コロナは当分、メモリ半導体の供給に影響を及ぼさないだろう」と分析した。新型コロナが中国全域に激しく広がっているが、まだ現地の半導体工場の量産に影響を及ぼすほどではないという意味だ。Dラムエクスチェンジ側は、「現在まで、中国で稼働停止、あるいは部分的な作業中止の決定を下したメモリ半導体工場はないことが分かった」と明らかにした。現在、三星電子の蘇州半導体後工程工場、西安のNAND型フラッシュ工場は正常稼働している。SKハイニックスの中国無錫のDラム工場も正常稼動している。

ただ、グローバル半導体業界では、新型コロナの波紋が長期化すれば、世界最大半導体需要先である中国の内需市場が萎縮し、メモリ半導体企業の売上高の減少につながる可能性も小さくないという懸念も出ている。中国は韓国半導体の最大輸入国である。

半導体業界の関係者は、「中国内需が打撃を受ければ、ようやく持ち直しの兆しを見せていたグローバル半導体市場が再び低迷しかねない」とし、「事態が長期化する前に、各企業は中国内半導体生産素材の物流システムについて継続的なモニタリングが必要だ」と語った。


徐東一 dong@donga.com