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保守統合議論、切迫感がない

Posted January. 28, 2020 08:50,   

Updated January. 28, 2020 08:50

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「市場でナムルを値切る時だって、これよりもっと一生懸命だというのに・・・」

旧正月の連休に選挙区に行ってきた最大野党「自由韓国党」のある重鎮議員が、保守統合議論に対する民意だと伝えた言葉だ。総選挙で、文在寅(ムン・ジェイン)政権に対抗するために保守を統合するというが、あまりにも生ぬるく、どこまで進んでいるのか、本当に合党するかどうかまったく分からないということだ。

実際、保守統合議論は、以前の野党統合議論に比べて1、2ヵ月遅れている。それだけ熱くなっていない。今の統合議論と環境が最も似ている2012年の総選挙の前、民主党と親盧グループは2011年12月、体育館で暴言に近い論争の末、合党大会を終え、辛うじて選挙を行うことができた。その後、統合進歩党との野党連帯まで無原則に流れ、総選挙で敗れたが、統合議論自体は総選挙の日程に合わせてスピードを持って展開した。

しかし、保守の統合作業は、総選挙を79日後に控えた27日現在、まだ具体的な青写真を描き出せていない。昨年末、「旧正月の連休前に統合の輪郭があらわれるだろう」と豪語していたことが色あせる。自由韓国党と「新しい保守党」の統合協議体や保守陣営が参加する革新統合推進委員会(統推委)いずれも連休期間、公式に会議も行わなかった。このため、早くも気が抜けた声が聞こえる。統推委では、合党よりも統合選対委体制で総選挙も行うアイディアが出ている。新しい保守党の劉承ミン(ユ・スンミン)議員は、「候補一本化、選挙連帯もオプション」と強調した。

筆者は、保守統合議論が遅々として進まないのは切迫感が足りないためと見る。言葉では保守統合を強調するが、統合でなければ保守が総選挙で死ぬかもしれないという心からの危機意識のようものがない。ならば、保守統合議論にはなぜ切迫感が足りないのか。皆、別に頼るものがあるからだ。統合に失敗して総選挙で敗北を期せば、誰かのように廃族になったり、路頭をさまよったりするのではなく、元居た場所に戻って各自生き残るためだ。教授研究室に、弁護士事務所に、だめなら持っている建物に・・・。何もしなくても当分の間、食べて暮らせるだけの金もある。自由韓国党、新しい保守党はもとよりウリ共和党を含む保守勢力の多くが該当する。

お腹があまり空いていないため、保守陣営は総選挙の局面で争点を作り出せていない。各統合主導者が国民の目線に合わせて激しく討論し、必要なら戦って関心を引かなければならないが、政治哲学や政治工学の理論だけが溢れている。そのため、統合議論が分かりづらい。保守陣営はこれでも旧正月の連休前、一部の世論調査で、自由韓国党と新しい保守党の支持率を合わせたより統合保守新党の支持率が低かったことを「世論操作」と主張することができるのだろうか。

現時点で保守の長兄格の黄教安(ファン・ギョアン)自由韓国党代表のリーダーシップも物足りない。統合が実現されて総選挙で効果をみるなら、最大の受恵者は保守陣営の次期大統領選候補トップの黄氏だ。ならば黄氏は、劉氏の家や事務所を何度も訪れるパフォーマンスでもしなければならない。昨年のハンストの時に見せた決意が必要なのは今だ。

保守の一部では、総選挙前は統合する可能性があるため、時間を与えなければならないという声も出ている。むろん、まもなく統合を宣言する可能性もある。水面下の議論もまだ進行中だ。しかし、政治日程にもゴールデンタイムというものはある。合わせたからといって選挙はできない。すでにかなり遅れた。保守の「ウェルビーイング病」は慢性を越えて致命的な水準だ。一度崩れた韓国保守が健全な政権牽制勢力に再起することはこうも難しい。


李承憲 ddr@donga.com