Go to contents

「パラサイト 半地下の家族」は夢見る...「ジョーカ」を倒して「アイリッシュマン」を越えよう

「パラサイト 半地下の家族」は夢見る...「ジョーカ」を倒して「アイリッシュマン」を越えよう

Posted January. 15, 2020 08:06,   

Updated January. 15, 2020 08:06

한국어

「私はすぐに目覚めて、このすべてのことが夢だと知ることになるだろう。私はまだ『パラサイト 半地下の家族』の撮影現場にいて、すべての装備は故障した状態だ。車で火事が起こったのを見て、泣き叫んでいる。しかし、今は全てがうまくいき幸せです」

映画「パラサイト 半地下の家族」が、アカデミー(オスカー)の6部門でノミネートされたことを受けて、ポン・ジュノ監督が米国のある芸能メディアとのインタビューで、「映画『インセプション』のような気がする」と感想を明らかにした。

「パラサイト」の予想を越える善戦が夢のように感じられるのはポン氏だけではない。韓国を越えて全世界の映画関係者は「パラサイト」が描き出す「夢のような歴史」に注目している。13日に発表されたアカデミー賞最終候補で、「パラサイト」は作品賞をはじめ監督賞、脚本賞、編集賞、美術賞、国際映画賞など計6部門にノミネートされた。「パラサイト」が作品賞を受賞するなら、非英語映画で初めて、アカデミーの歴史を新たに書くことになる。 

アカデミー賞24部門のうち最高栄誉の作品賞の受賞有無に最も大きな関心が集まる。作品賞候補は、「パラサイト」をはじめ△「フォードvsフェラーリ」、△「アイリッシュマン」、△「ジョジョ・ラビット」、△「ジョーカー」、△「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」、△「マリッジ・ストーリー」、△「1917 命をかけた伝令」、 △「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」など計9つ。1929年の初のアカデミー授賞式以来、作品賞受賞作はすべて英語の映画だった。「大いなる幻影」、「ジェット」、「移民者たち」、「叫びとささやき」、「イル・ポスティーノ」、「ライフ・イズ・ビューティフル」、「グリーン・デスティニー」、「バベル」、「愛、アムール」、「ROMA/ローマ」の計10編の外国語映画が作品賞にノミネートされたが、受賞作には選ばれなかった。

映画評論家のチョン・チャンイル氏は、「投票権を持つアカデミー会員たちは、依然として白人が多数なので、米国を背景とした歴史の話である『1917 命をかけた伝令』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が有力候補」とし、「しかし最近、白人中心の映画祭という批判から抜け出そうとしており、『パラサイト』も受賞の可能性がある」と見通した。

監督賞部門でポン氏は、マーティン・スコセッシ(「アイリッシュマン」)とサム・メンデス(「1917 命かけた伝令」)、クエンティン タランティーノ(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」)、トッド・フィリップス(「ジョーカー」)の4人と競う。スコセッシ氏は2007年に「ディパーテッド」、「1917 命かけた伝令」のサム・メンデス氏は00年に「アメリカン・ビューティー」で監督賞を受賞した。ポン氏が監督賞を受賞する場合、アジアでは台湾出身のアン・リー監督に続き2人目となる。リー氏は、06年に「ブロークバック・マウンテン」、13年に「ライフ・オブ・パイ」で2度監督賞を受賞した。

国際映画賞(旧外国語映画賞)は、「パラサイト」の受賞の可能性が高いと予想されている。「パラサイト」はすでにカンヌ国際映画祭で最高栄誉であるパルム・ドールを受賞した。アカデミーの前哨戦と呼ばれるゴールデングローブでも外国語映画賞を受賞したので、アカデミー会員たちも票を入れる可能性が高い。映画評論家のユン・ソンウン氏は、「国際映画賞候補のうち「ペイン&グローリー」が主演男優賞候補、「ハニーランド」がドキュメンタリー映画賞候補にノミネートされているのがすべて」とし、「6つの部門にノミネートされた『パラサイト』が、国際長編映画賞を受賞しなければもはや不思議なこと」と強調した。

美術賞と編集賞の受賞も狙うに値する。「パラサイト」は、キテク(ソン・ガンホ)とドンイク(イ・ソンギュン)が生活空間を通じて、彼らの貧富の差を鮮明に表わしたという好評を受けた。美術監督のハン・アルム氏は、「階層の違いを表わす美術的な方法は様々だが、垂直的にこれを明確に表わした。洪水でキテクの家が浸水し、俳優が半地下の部屋でもがくシーンが代表的な例だ」と話した。

今回のアカデミー賞候補に最も多く名前が挙がった作品は「ジョーカー」で、24部門のうち作品賞、監督賞、主演男優賞(ホアキン・フェニックス)など11部門でノミネートされた。「アイリッシュマン」、「1917 命をかけた伝令」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の3作品は、作品賞を含め計10部門でノミネートされた。「パラサイト」は、「ジョジョ・ラビット」、「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」とともに6部門でノミネートされた。

「『パラサイト』は、突然飛び出してきた映画ではない。パク・チャヌク監督の『お嬢さん(アガシ)』が英アカデミー賞(BAFTA)で受賞し、昨年イ・チャンドン監督の『バーニング』がアカデミー外国語映画賞のショート・リストにノミネートされた。こうしたことが積み重なって『パラサイト』が作られたと考える。」ポン氏は13日(現地時間)、米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューでこのように語った。「パラサイト」が韓国映画を越えて世界映画の歴史を書くかは来月9日に開かれるアカデミー授賞式で決まる。


金哉希 jetti@donga.com · 李?? baltika7@donga.com