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比例衛星政党をもたらす「つぎはぎ選挙法」、強行すれば憲政史の汚点になる

比例衛星政党をもたらす「つぎはぎ選挙法」、強行すれば憲政史の汚点になる

Posted December. 26, 2019 08:17,   

Updated December. 26, 2019 08:17

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最大野党「自由韓国党」を排除した与党圏の「4+1」協議体が作った公職選挙法改正案の処理を遅らせようとするフィリバスター(無制限討論)が昨夜午前0時で終了した。本来、フィリバスターは野党の合法的な議事妨害戦術だが、与党議員が選挙法賛成のフィリバスターをする初の事態が起こった。臨時国会の会期が変われば、フィリバスターをした案件を直ちに採決に送ることができる。与党は、新しい会期が始まる今日、選挙法を上程して採決する構えだ。

「4+1」選挙法は、「選挙区(253議席)+政党名簿比例代表(17議席)+準連動型比例代表(30議席)」の3セットで構成されている。選挙区で議席を多く確保する院内1、2党の比例代表の持分は大幅に減る。連動率50%が適用される比例代表の30議席で、院内1、2党の持分はなくなり、群小野党が持っていく。選挙区の死票で捨てられる群小野党の持分を保障するという大義名分のため、1、2党が政党投票で得た票はほぼ紙切れになるだろう。 同じ価値を持つ選挙区の投票と政党投票の均衡が壊れる。さらに、帝王的大統領中心制をそのままにして内閣制国家であるドイツ式連動型比例代表制だけ借用するのは、有利なことだけ挟み入れるという選挙法「ゲリマンダーリング」に相違ない。

自由韓国党は、この選挙法が通過すれば、比例専門衛星政党「比例自由韓国党」を作ると主張した。与党内部でも比例民主党を作って対抗するという声が出ている。しかし、高位公職者犯罪捜査処法の処理のために群小野党に選挙法をプレゼントした与党としては、群小野党の顔色をうかがわざるを得ず、どうすることもできない状況になった。

群小野党は、終盤の交渉で惜敗率制の撤回を大乗的な決断だとしたが、連動型比例代表の持分は事実上確保した。1、2党の進入を封じ込めた状態で、群小野党の議席のパイを大きくしたのだ。このため、群小野党が事実上、与党の衛星政党である「比例民主党」の役割をしているという指摘が出ている。また、全羅道(チョンラド)に選挙区が多い群小野党は、与党に迫って、統廃合の対象が多い全羅道の地域構図を維持させた。尻尾が胴を揺さぶる崖っぷちの交渉で実利を得て、「改革」という言葉で覆うのは恥知らずの振る舞いだ。

これまで「選挙のルール」である選挙法交渉だけは、このように一方的に進めたことはなかった。野党第一党を排除した「4+1」密室交渉を経て、つぎはぎになった選挙法は、無理強いの口実を提供するだけだ。このような選挙法が一方的に処理されれば、韓国憲政史に大きな汚点を残すことになるだろう。