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今年34日間も運営できなかった「李國鍾外傷センター」

今年34日間も運営できなかった「李國鍾外傷センター」

Posted December. 06, 2019 08:01,   

Updated December. 06, 2019 08:01

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京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)の亜洲(アジュ)大学病院圏域外傷センター・当直室の電話がほぼ5分置きに鳴った。受話器を取り上げた看護師が、数回同じ回答を繰り返した。「申し訳ありませんが、今空いたベッドがなく、これ以上患者を受け入れることができません」。さすが、重症外傷患者の診療のための100ベッドに患者がいっぱい入っているので、空きベッドがおらず、消防庁に「これ以上患者を送らないでほしい」という意味の「バイパス」を通知した状態だった。国内最大規模と人材を備えた圏域外傷センターの先月27日午後3時頃の様子だ。

李國鍾(イ・グクジョン)外傷外科教授が率いる亜洲大学病院圏域外傷センターは、京畿道果川市(クァチョンシ)と城南市(ソンナムシ)、富川市(プチョンシ)など21の市・郡を網羅する京畿道南部圏域で重症外傷患者について最終的な責任を負う医療機関だ。近くの救急室がすべて人手も、機器がおらず、患者を返すときに圏域外傷センターが患者の「ゴールデンタイム」を守る最後の砦となる。

ところが、亜洲大学病院圏域外傷センターは、今年に入って先月30日まで計57回も「バイパス」をかけて患者を受けなかった。バイパスがかかった時間をすべて合わせれば、34日2時間57分だ。京畿道南部圏域の人口970万人の責任を負う圏域外傷センターが一ヶ月以上も運営できなかったという意味だ。2017年は11回だったバイパスの通知回数が、昨年は53回に増えると、センター内では、「今、うちのセンターは、圏域外傷センターと呼ぶことすらきまり悪い状況だ」という言葉が出たが、1年ぶりに状況はより悪化した。

これは「ベッドの回転」が限界に達したからだ。これまでは圏域外傷センターのベッドが不足すると、他の診療科目のベッドでも借りて患者を受け入れたりした。しかし、昨年から、他の診療科目でも病室不足を訴えて、病院側がこれを遮断していると伝えられた。さらに、病院の一部が改装工事に入り、ベッドはさらに不足している。とあるセンターの関係者は、「病院側は2013年、圏域外傷センターを誘致したいとしながら、保健福祉部に事業計画書を出す時は、明らかに『施設と人材支援を惜しまない』と誓約書まで書いたが…」と嘆いた。

悪循環である。圏域外傷センターに入院できなかった重症外傷患者は、まず、他の小規模の緊急治療室に入院する。数十時間が経って圏域外傷センターに空きがでれば、その患者は遅れて重症外傷専門治療を受ける。初期にきちんとした診療を受けられなかったせいで、予後が悪い。この患者は回復するために、より長い期間、圏域外傷センターに入院しなければならない。

亜洲大学病院圏域外傷センターは、それでも、全国14カ所の圏域外傷センターの中ではベッドが最も多い。他の場所はどうか、福祉部は実態把握すらしていない。今年2月、ユン・ハンドク中央救急医療センター長の過労死により、緊急医療への関心が高まったとき、政府は様々な協議体を作って対策と支援を約束した。ユンセンター長がみれば、呆れるばかりだろう。


趙健熙 becom@donga.com