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海中の巨大な山の秘密

Posted December. 02, 2019 09:39,   

Updated December. 02, 2019 09:39

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おそらく今ごろ、豪州北東部の海の下には、たぶんものすごい蟹の殻の山ができただろう。巨大な山のように積もったこの一山は、わずか一ヶ月前まではなかったのだ。

もし誰かが海にこっそり捨てたものだろうか?そのようではない。毎年20万を超える殻がたまるからだ。時間も一定だ。冬が始まる頃の11月初め・中旬の最初の満月が昇る時だ。この巨大な山を作る主人公は、クモのように足が長いタカアシガニというやつだ。

普段は深い海の中で別々に生きていくやつらが、どのようにして時間を合わせて比較的浅い海の一角に集まるのかしれないが、集まる理由は二つだ。普段はなかなか会えないから、このようにでもして交配をするのが第一の理由だ。大規模な「お見合いパーティー」を開くと?そう、そんなことだってありうるだろう。

ところで、いざ興味深いことは第二の理由だ。ご存知のように、やつらは捕食者の攻撃を防ぐために、堅い鎧に身を包んでいる。簡単に食わなれないためには、鎧は堅いほどよい。しかし、固さだけが必ずしも良いことではない。体を大きくしてこそ、交配相手にもよりデカく見えるし、世界を旺盛に生きていくことができるはずなのに、それができない。脱ぐと危険だし、着ていると、これ以上体を大きくすることができない。この生存のジレンマで、やつらが見つけ出した妙案が「いっぺんに」だ。このように集まって同時に鎧を脱ぎ捨てる「大会」を開くのだ。別々に鎧を脱ぐと、迫ってくる危険性をそのまま自分一人で受けるしかないが、このようにすれば、一部だけを犠牲にすればいい。捕食者が無限に食べることなどできないからだ。

みんなが一緒に集まって、これまで自分を守ってくれたが窮屈だった鎧を、一気に脱ぎ捨て、中から芽生える新しい鎧に着替えるので、クールで楽しいお祭りではないかという気もするが、実際は、やつらにはこの時ほど危険な時間もない。着ていた鎧を脱ぎ捨てた後、新しい殻が硬くなるまで数日がかかるからだ。この巨大な晩餐のチャンスを、エイのような捕食者がほっておくわけがないだろう。もってこいのチャンスだとばかりに祭りを行う。このような危機を回避するために、タカアシガニたちは真ん中に集まり、あのように自分たちも知らないうちに巨大な山を作る。

このスリル溢れる数日間の祭りでない祭りが終わると、タカアシガニたちは頑丈な新しい鎧を身につけ、自分が生息していた場所に戻る。自分をしっかり守ってくれるが、これ以上成長できない鎧を脱ぎ捨ててこそ、もっと大きくなれるという生存の知恵を振り返りながら。

生きることは、絶えず変化する世界に適応することだ。この適応力は、おのずとできるものではない。タカアシガニがよく知っているように、今まで自分を安全に守ってくれたものを果敢に捨て、新しい世の中に必要な新しいものを作り出さなければならない。いくら良いものも、今握っているものを手放さなければ、つかむことができないからだ。年末だ。新しいものを得るために、古いものを捨てる時間だ。