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神話は人生の盛り合わせ

Posted November. 23, 2019 09:43,   

Updated November. 23, 2019 09:43

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神話の中には、当時の人々の思いがにじみ出る。ゼウスは、人間に火をもたらしたプロメテウスに永遠の罰を下す。そして人間にも女性、パンドラ(Pandora)を作って罰を与える。人間に女性を与えたことがなぜ罰なのだろうか?ゼウスが、妻のヘラ女神からがみがみ言われて、苦労したからだという。当時は、女性は男がお金がなければ逃げ、豊かになればがみつき、口数が多く、信頼がおけないと思われたようだ。さらに、好奇心まで多く、神々からあれほど開けないように注意された「パンドラの箱」を開いた。そのため、関節炎、痛風、神経痛、結核などの病気はもとより、嫉妬、恨み、復讐心までが人間の世界にいっぱいに広がったという。

ここでちょっと。本当にゼウスは人間に女性を与えて罰することに成功したのだろうか?違う。女性がいたからこそ、人間は子孫を繁栄させ、さらに幸せになることができた。世界の男性たちはゼウスの罰で、むしろ福を受けた。女性がいなければ、この世はどれほど索漠だったのだろうか?パンドラの箱の一番下側にあった「希望」で人類は絶望しない。

太陽と関連した神話を見れば、当時の人たちの科学的思考を知ることができる。最初に空を飛んだ人はイカロスだ。彼の父親であるダイダロスは、クレタの迷宮に閉じ込められる。脱出できる道は、空を飛ぶ方法しかなかった。ダイダロスは、刑務所の窓に飛んできた鳥の羽を集めた。鳥の大きな羽は糸で縛り、小さな羽は蝋で付ける。ついに翼が完成し、ダイダロスは息子の両腕に翼をつけてあげる。脱出に成功したイカロスは、空高く飛び上がる。神話では、イカロスが太陽の近くに上がって、翼の蝋が溶けて落ちて死んたと出ている。

ところが、人類が息をしながら暮らしている対流圏は、高く上がるほど気温が急激に下がる。そのため、神話と違って蝋は溶けず、むしろ堅くなる。当時の人々の科学的思考は、太陽に近づくと暑いというレベルだった。

「太陽神ヘリオスは、毎朝太陽の馬車を操縦して東から浮かび上がり、空を横切って夕方には遠い海の西側に降ります」。太陽の動きについての当時の考えだ。ヘリオスが浮気をして生んだ息子がパエトーンだ。父親を訪ねたパエトーンは、太陽の馬車を操縦させてほしいとねだり、結局許可を受ける。意気揚々と太陽の馬車に乗ったパエトーンは、馬車を引く馬の反抗(?)で苦境に立たされる。馬車が空高く飛び上がって、地面に急下降することを繰り返した。太陽馬車が地面に近づくと、熱い熱気のために川と海が枯れてしまうほどだった。ゼウスは、これ以上世界が壊れるのを見ることができず、落雷を投げてパエトーンを殺した。当時の人々の科学的思考は、太陽が地球を回るということだった。エチオピア人の肌が黒いのは、この時の熱気のために血が肌に集中したためであり、アラビア砂漠もこの時にできたものだという。

実は、地球と太陽の距離が今より半分に減少すれば、エネルギー量は4倍に増える。肌が黒くなるレベルではなく、生存が不可能だ。神話に出る古代の考え方には愛嬌があるじゃないか。