「世界９位の富豪」ブルームバーグ氏、米大統領選に合流

５５５億ドル（約６４兆２４００億ウォン）の資産を保有する世界で９番目の富豪（フォーブス集計）のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長（７７）が、来年の米大統領選の野党民主党の候補者指名争いに飛び込んだ。

米紙ニューヨーク・タイムズは、「メディアグループ、ブルームバーグの創業者のブルームバーグ氏が、予備選挙の候補者登録を申込受付締め切り日の８日、アラバマ州選挙管理委員会に行った」と伝えた。２００２～１３年にニューヨーク市長を３期務めたブルームバーグ氏は３月、「大統領選挙ではトランプ大統領を破る自信があるが、予備選で勝利できないだろう」とし、不出馬を宣言したことがある。

ブルームバーグ氏が８ヵ月経って考えを変えたのは、今の民主党候補ではトランプ氏の再選を防げないと判断したためだという。民主党の有力な大統領選候補である中道のバイデン前副大統領（７７）は、左派のエリザベス・ウォーレン上院議員（７０）に押されて支持率が落ちている。

民主党員で政治入りしたが、共和党に党籍を変えてニューヨーク市長に当選し、昨年再び民主党員に復帰したブルームバーグ氏は、極端な二大政党政治を批判してきた中道派の政治家だ。１６年の大統領選の時、無所属で出馬するかと思われたが、不出馬を宣言して民主党のヒラリー・クリントン候補を支持した。

資産規模が不動産財閥のトランプ氏（３１億ドル）の１８倍にのぼるブルームバーグ氏の参加で、民主党の予備選に少なからぬ変化が予想される。バイデン氏、ウォーレン氏を追撃しているバーニー・サンダース上院議員（７８）は９日、アイオワ州で開かれた支持者演説で、「ブルームバーグ氏が金で選挙を買おうとしている」と非難した。トランプ氏も同日、記者団に、「ブルームバーグ氏は何でもない人物だった。バイデン氏には若干ダメージを与えるだろうが『リトル・マイケル』は最終的に失敗するだろう」と述べた。

ブルームバーグ氏は、米ボストンでロシア出身のユダヤ人夫婦の間に生まれ、ジョンズホプキンズ大学電子工学科、ハーバード・ビジネス・スクールを卒業した。入社した証券会社のソロモン・ブラザーズで３９歳の時に整理解雇された後、退職金１千万ドル（約１１５億ウォン）を元手に投資情報を有料で提供する会社イノベーティブ・マーケット・システムを設立し、現在のブルームバーグに成長させた。


孫宅均 sohn@donga.com