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平壌アウエー終えた孫興民「ケガしなかっただけでも大きな収穫」

平壌アウエー終えた孫興民「ケガしなかっただけでも大きな収穫」

Posted October. 18, 2019 15:03,   

Updated October. 18, 2019 15:03

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「ケガしないで帰って来ただけでもとても大きな収穫だと思います」

17日未明、平壌(ピョンヤン)アウエーを終えて帰国した韓国代表チームの主将、孫興民(ソン・フンミン=27、トッテナム・ホットスパー)はため息を吐いては、こう語った。勝利はなかったが(0-0)、ケガを避ける収穫があったと皮肉った。15日、平壌の金日成競技場で無観客、中継無しで行われた2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選北朝鮮戦を終えて帰国した代表選手団は、「格闘サッカー」だったと口を揃えた。チェ・ヨンイル代表団長は、「戦争をしているようだった。北朝鮮選手が肘を振り回し、浮いたボールを争うときは膝を突き付けるなど荒々しかった」と話した。

国際サッカー連盟(FIFA)ランキング113位の北朝鮮は韓国(37位)より格下の戦力を、ラフプレーと神経戦で乗り切ろうとした。両チームが2枚ずつの警告を受ける中、北朝鮮のラフプレーに主審が注意を与えるため何度も試合が止まった。韓国のエースとして集中マークを受けた孫興民は、「乱暴な言葉があったのか」という質問に、「嘘と言ってはならない選手として…、北朝鮮選手たちが私たちに酷い暴言を吐いた。もう思い出したくないくらいだ」と答えた。孫興民は、「北朝鮮が、あまりにも神経質的に反応した。作戦だったようだ」とも語った。

試合で北朝鮮選手に殴られたファン・インボム(23=バンクーバー・ホワイトキャップス)が「なんで殴るんだ」と言うと、両チームの選手たちが対峙する一触即発の状況もあった。DFキム・ムンファン(24=釜山)は「北朝鮮はボールと関係なく人を見て飛び掛かった。北朝鮮のハン・グァンソン(21=ユベントス)と体当たりをして倒れたが、起き上がりながら肩をぶつけて行った。先輩たちが『北朝鮮選手たちが僕らを刺激しようとしているのだから、巻き込まれるな』と言ってくれたので感情を抑えた」と話した。

5万を収容できる競技場がガラガラになるとは選手たちも予想できなかった。しかし、孫興民は「慌たと言うよりは(北朝鮮が)私たちのことを強いと思っているんだなと思った。正直、敗れた時のダメージは北朝鮮の方が大きいじゃないか」とも話した。当初、この試合は孫興民と北朝鮮の有望株ハン・グァンソンとの南北の点取り屋同士の対決としても注目が集まった。孫興民は「ハン・グァンソンはあんまり目立たなかった」と言った。試合後にユニフォームの交換はあったのかという質問には「あえて…」と言いながら笑みを浮かべた。韓国は米国ブランド「ナイキ」のユニフォームを着ているため、大韓サッカー協会は国連制裁違反を恐れて選手たちにユニフォームの交換を禁止させた。

平壌順安(スンアン)空港での長時間(2時間30分)にわたる入国手続きなど北朝鮮による「嫌がらせ」を受けた選手たちは携帯フォンの搬入禁止や各所に配置された北朝鮮軍の規制などで2泊3日間、完璧に孤立された。しかし、選手たちは前向きな考え方で妨害工作を乗り越えた。孫興民は「睡眠を十分に取ることができて良かった。選手同士で戦術について議論したり、面白い会話も沢山した」と伝えた。キム・ムンファンは「16日、中国北京で韓国大使館に預けた携帯フォンを返してもらって電源をつけたら、大量のメッセージが届いている不思議な経験をした」と笑った。DFキム・ミンジェ(23=北京国安)は「携帯フォンは取り上げられたけど、スタッフが用意してくれた目覚まし時計のお陰で、決まった時間にスッキリと起きることができた」と話した。

選手たちは来年6月4日にホームで行われる北朝鮮とのアジア2次予選第2戦で実力で相手を完璧に制圧したいと語った。北朝鮮選手に打たれたファン・インボムは「今回の試合は、負けないで帰って来れただけでも肯定的に思えるような雰囲気だった。僕たちが荒々しかった平壌アウエーで感じたことが何だったのかを、ホームを味わせる」と話した。


鄭允喆 trigger@donga.com · 李沅柱 takeoff@donga.com