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北朝鮮の金明吉首席代表、硬い表情で「米の責任」

北朝鮮の金明吉首席代表、硬い表情で「米の責任」

Posted October. 07, 2019 08:22,   

Updated October. 07, 2019 08:22

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5日(現地時間)スウェーデン・ストックホルムの郊外のカンファレンス施設「ビラ・エルプヴィック・ストランド」。海で囲まれた美しいリゾート施設で、北朝鮮の非核化をめぐる米朝実務協議が開かれた場所だ。零下1度の天候にもかかわらず、韓国、米国、日本、スウェーデンなど各国の取材陣数十人が、北朝鮮の金明吉(キム・ミョンギル)首席代表と米国務省のビーガン北朝鮮特別代表を取材するために熱を帯びた競争を繰り広げた。

金氏は午前9時40分頃、協議会場に姿を現わした。「協議の結果を楽観するか」という取材陣質問に、金氏は「見てみよう」とほほ笑んだ。先に到着したビーガン氏も金氏を笑顔で迎えた。2人の表情は期待に満ちていた。

和気あいあいとしたムードは、約2時間20分後、一変した。午後12時、金氏をはじめ北朝鮮代表団は黒いバンに乗って会場を出て、ストックホルムのリーディンゲにある北朝鮮大使館に戻った。2時間20分後に会場に戻ったが、表情は硬かった。金氏は、「なぜ途中で出たのか」と取材陣に質問を受けたが、答えなかった。ある日本の記者が、「韓半島の平和のために手を振って下さい」と声を上げたが、応じなかった。

会場を出た金氏は午後6時32分頃、北朝鮮大使館で会談決裂を発表した。北朝鮮側は3日から同日まで、各国取材陣の取材に一切応じなかった。しかし、北朝鮮外務省で北米局長を務めたクォン・ジョングン次席代表は大使館に到着し、建物内から「声明を発表するから待ってください」大声で叫んだ。7分後、3、4枚の紙を持って金氏が現れ、取材陣の前で硬い表情で声明を読み上げた。

金氏は、「協議は、我々の期待に相応せず、決裂した。今回の協議が何の結果も引き出せず決裂したことは、全面的に米国が旧態依然の立場と態度を捨てることができなかったことにある」と主張した。金氏が一文読み上げるごとに、英語に通訳された。外信記者に北朝鮮の立場を伝えるためとみえる。金氏は強ばった表情で、米国に体制の安全および制裁緩和を求めた。そして、「昨年6月の1回目のシンガポール朝米首脳会談の後も、米国は15回にわたって制裁措置を発動した」と主張した。

約11分間の声明発表の後、北朝鮮代表団は異例にも取材陣に「質問を3つ受ける」と述べた。記者団が、「米国から体制の保証に関する肯定的な意思表示は全くなかったのか」、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射と核実験の中止を年末まで維持するのか」など尋ねたが、米国のせいにする返事だけ繰り返した。金氏は最後に、「核実験およびICBM試射の中止を維持するのか、再開するかは、全面的に米国の態度にかかっている」と主張した。米代表団は、協議決裂後すぐに立場を発表しなかった。特にビーガン氏は、ストックホルム市内のある有名レストランでワイン、ビール、ピザなどを食べるなど、余裕のある姿を見せた。米国務省は、北朝鮮の声明発表後、約3時間が経った同日午後10時頃、「私たちは創意的アイディアを持っていった。良い議論を行った」とし、北朝鮮の主張に反論した。


金潤鍾 zozo@donga.com