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成長小説「君に会いに来た」を国内出版した英作家クロエ・デーキン

成長小説「君に会いに来た」を国内出版した英作家クロエ・デーキン

Posted August. 20, 2019 08:59,   

Updated August. 20, 2019 08:59

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小説「ワンドゥギ」「アーモンド」「ウィザードベーカリー」の共通点は?青少年向けだが、大人たちも熱い反応を見せた作品だ。大人も吟味すべき問題意識を込めており、ページをめくるのがなかなか難しい。

英国では、長編小説「君に会いに来た」(原題:Fish Boy・写真)が成人の間で広く読まれている。最近、韓国国内でも文学トンネが出版した。この小説は、魚と対話する12歳の少年ビリーの魔法のような成長物語が海と共に繰り広げられる。クロエ・デーキンは、デビュー作であるこの小説で、英北部作家賞を受賞し、ブランフォード・ボウズ賞をはじめとする様々な文学賞にノミネートされた。電子メールでのインタビューで、「海は、完全な他者性の中に自分自身を解放させるミステリーな空間だ。子供の頃の肉体的自由と陽気さを思い出しながら作品を書いた」と語った。

病気のためにベッドからほぼ抜け出せない母親、無頓着で不親切な父親、暇さえあれば自分をからかう友人たち。大人の世界は危険で、友人たちは気難しく振舞う。仕方なく容姿が年取ってしまったビリーに声をかけてくるサバたち。幻想の世界は、日常に活気を吹き入れる。デーキンは、「執筆中に開放感を満喫しながらも、子供たちの童心がいかに傷つきやすいかを振り返った」と語った。

「幼年期は、実験と発見の時期ではないかと思います。存在するということの意味と異なる存在の方式を学んでいきますね。大人は子供の話に耳を傾け、腹を割って話せる機会を与えるべきです」

ビリーは、誰かが渡した信頼と支持を基に成長する。孤独なビリーに手を出しだした新しい友達パトリックは、「そのサバはひたすら君に会いに来たのだ」と支持する。サバの友人は、「ここで暮らそう、ここで暮らそう」とビリーに手を差し出す。それぞれの方法で寒さをしのぐ大自然の摂理は、ビリーはもちろん大人まで抱き締めて慰める。デーキンは、「子供たちの問題を代わりに解決してやりたいだろうが、我慢する練習をしなければならない。待っていれば、子供たちは自ら問題を解決する力と自信を得る」と強調した。

「小さな親切と愛情を込めて、子供たちと疎通してください。いつか些細なものでなくなる現在の些細なモノを楽しんでください。読者が作品を通じて、笑い、愛、冒険、自信、海と不思議なものへの愛情を感じてほしいと思います」


李雪 snow@donga.com