Go to contents

この蒸し暑さも過ぎ去るだろう

Posted August. 17, 2019 10:37,   

Updated August. 17, 2019 10:37

한국어

最近の3度の台風で溶鉱炉のようだった熱気が和らいだが、蒸し暑さは簡単には退きそうにない。この猛暑の中、今が秋だと言うなら、おかしな話のように聞こえるだろうが、節気上、今は明らかに秋だ。先週、立秋が過ぎ、来週に暑さが終わるという処暑を迎えるので、すでに秋真っ最中だ。

古代人に日を計算する簡単な方法は一定の周期を持って日々形が変わっていく月を基準にすることだ。月の形によって日を数える方法が陰暦(太陰暦)に発展した。陰暦によって日の流れは簡単に分かるが、季節の変化は表せない。季節は太陽の運動によって決まるためだ。太陽の動きを24等分して季節の変化を示したのが二十四節気。そのため、二十四節気は陽暦(太陽暦)の日と概ね合う。陰暦は月の新月と満月の周期に従い、陽暦は太陽に対する公転周期に従うので、一年の長さがそれぞれ354日と365日で違いが生じる。陰暦で足りない11日を閏日として加えて陽暦の長さに合わせ、季節の変化をあらわす二十四節気を補完して発展させたカレンダーが太陰太陽歴だ。韓国、中国、日本などで陰暦と呼ばれるこの太陰太陽暦は、イスラム圏で使う純太陰暦とは異なる。イスラム暦ではアラビア語で「ヒラル(Hilal)」と呼ぶ三日月を目で確認してこそ新しい月が始まる。地域ごとに月が出る時間が異なり、毎月の開始日も国ごとに異なる。砂漠が大半の中東のイスラム圏では、季節の変化が農耕社会ほど重要ではなかったため、陰暦に陽暦の要素を補完する必要がなかったのだろう。

季節の変化を知るために導入された二十四節気だが、実際には私たちが体感する天候と違いが生じる。本来、二十四節気は中国の周の黄河地域の天候を基準にしたものなので、韓半島の季節変化を十分に表せないという限界がある。さらに最近、地球温暖化の影響で、二十四節気が合わなくなった。気候学的に一日の平均気温が20度未満に下がった時を秋と見なすが、気候学的な秋の到来が1970年代に比べて最近は半月以上遅れている。そのため、秋に入るという立秋が一年で最も暑い日になってしまった。本来、立秋と処暑の間は気温が下がるのが正常だが、最近は立秋から半月が経った処暑でも気温の差があまりない。

われわれの先祖にとって、二十四節気は長年の経験による知恵の産物だ。芒種には必ず種をまき、霜降には必ず収穫した。地球温暖化の影響でその厳正さは揺らいでいるものの、数千年間積み重ねた知恵は依然として明澄な光を放っている。暑さが極に達した時が立秋であることは、まるで陽が極に達する時に陰が始まる太極の形のようだ。快楽が極に達する時、崩壊の原因が胚胎し、絶望の深淵に陥った時、新しい再起の希望が湧くようだ。少しゆっくりでも秋は必ず来るように、耐え難い猛暑もまた過ぎ去るだろう。


キム・ソンギョン記者 tjdrud0306@donga.com