「写真のフレームの外のスペースを概念的にさらすことはできないだろうか。このような悩みの末に『球』を考えるようになりました」
ドイツ出身で、韓国で活動する芸術家ベルント・ハーフヘル(55)の個展「Same same but different」が、ソウル鍾路区(チョンノグ)にあるギャラリーナウで開かれている。展示は球の形に写真を盛り込んだ「Sphere(球)」と、動画の静止画をフラットに並べた「Stories(物語)」の連作で構成される。
15日、展示場で出会ったハーフヘルは、「球」シリーズは1994年から始まったと説明した。
「当時は360度カメラはもちろん、パノラマ撮影技法もありませんでした。完全なアナログ方式で写真を撮り、相互を繋いで作業しました。デイヴィッド・ホックニーの『フォトコラージュ』と同様の方法でした」
ドイツ・ウルムで生まれた彼は、美術や物理学を一緒に学んで、工学にも関心が高い。完全な球の形態を作り、その上に写真がきっちりつながるように付けた後、エポキシコーティングを数回かぶせる「球」の作品制作に通常一ヶ月がかかる。手で作ることに集中する工芸的側面が強い。
展示タイトルは、これまで以上にさまざまなイメージが降り注ぐ視点を念頭に置いた。そしてガートルード・スタインの詩「聖なるエミリー」の一節「バラはただバラである(Rose is a rose is a rose)」を借用した。彼は、「オンラインでは数多くのイメージがあるが、その中でも、異なるニュアンスを作ることができるということ、イメージは依然として重要であることを見せたかった」と話した。
ハーフヘルは、2011年から中央(チュンアン)大学美術学部の彫塑専攻教授として在職している。1995年、初めて旅行で韓国を訪れた後、2000年、ソウルメディアシティ・ビエンナーレなどでドイツと韓国を行き来した。韓国に定着したのは2006年、京畿坡州(キョンギ・パジュ)ハジェ町の芸術家レジデンシーに滞在してからだ。
「政治的、社会的作品を好むドイツと違って、韓国では概念的な側面について良いフィードバックをたくさん受けました。もちろん政治的問題を扱いますが、間接的な方法を韓国ではよりよく受け止めているような気がします」
また、映像スチールカットを並べた「物語」シリーズは、動画の時間の概念を表わしたくて作った。ハーフヘルは、「カメラをブラシのように使ってみたかった。ただ、特定の概念を狙うよりも、たまたま出てくる素晴らしいイメージが好きで、そのようなやり方で作業した」と説明した。展示は28日まで。お問い合わせは02-725-2930まで。
金民 kimmin@donga.com