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EU、極右政党の変身

Posted January. 01, 2018 09:44,   

Updated January. 01, 2018 09:48

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「もはや国民戦線(FN)は反(anti)EU政党ではなくEU(alt)改革政党になる」

昨年5月のフランス大統領選の決選投票で、フランスの極右政党FNは、大統領選で訴えていたユーロ圏離脱国民投票の公約を事実上、取り下げた。FNの大統領選候補だったルペン氏は、「ユーロではなくフランの時代に戻らなければならない」とユーロ圏離脱を主張した。

ルペン氏の核心参謀のニコラ・べFN事務局長は最近、「私たちはユーロ圏離脱を推進しない。各国のアイデンティティが生きている欧州を望むだけだ」と主張した。さして「ハンガリー、ポーランド、オーストリアなど極右指向の政権もEU離脱でなく統合の速度を遅らせることを望む」とし、「これらの国と速度を合わせる」と明らかにした。FNは、EU統合を推進するマクロン政府に対抗して「EU執行委をなくし国家間の協議機構に変えなければならない」とEUの力を弱める戦略に変えた。

このような変化は、去る大統領選後、党の路線をめぐって激しく討論した結果だ。この過程で「政権交代の1年後、フランス人はフランでバケットを買うことになる」とユーロ圏離脱の公約を主導した強硬派のフロリアン・フィリポ副党首が党を去った。FNは大統領選で700万から1000万の固定票を確保したことで、2019年の欧州議会選挙、2022年の大統領選のためにはフランス人の反感が強いユーロ圏離脱公約の修正は避けられないと見ている。フランスの政治学者ジャン=イヴ・カミュは、「FNがEUとユーロ圏に対して穏健路線に旋回したのは、フランス人が未経験の世界に飛び込むことを恐れることを悟ったため」と分析した。

 

これまで欧州の極右ポピュリズム政党は、反EUと反難民を政策の両軸とした。しかし、最近の各国の選挙で極右政党が2~4位圏に躍進し、考えが変わった。彼らはユーロ圏とEUの離脱といった極端な反EU主張が政権交代に障害になると感じ、路線を修正している。

 

来年3月に総選挙を控えているイタリア極左ポピュリズム政党の五つ星運動は、昨年9月にルイジ・ディ・マイオ代表が当選した後、「ユーロ圏離脱国民投票は最後の選択であり、私たちはEUに反対しない」と一歩後退した。EUの緊縮政策には反対するが、ユーロ圏離脱は望まないイタリアの世論を反映したのだ。先月16日、右派国民党との連立政権に成功して国政に参加することになったオーストリア極右政党の自由党は、「英国のEU離脱のような国民投票はない」と宣言し、「親EU」指向の国民党と目線を合わせた。

 

親EUを掲げたベルルスコーニ元首相が率いる「フォルツァ・イタリア」と右派同盟を形成している北部同盟のマッテオ・サルビニ党首はEUに反対してきたが、最近は「ユーロ圏離脱国民投票は愚かなことだ。借金を減らす別の解決策が可能だ」と発言の強度を下げた。



董正民 ditto@donga.com