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[オピニオン]ARS世論調査の仕掛け

Posted January. 12, 2016 07:27,   

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いよいよ選挙シーズン。二日に一度の割合で電話がかかってくる。「こんにちは。4月に行われる第20代総選挙と関連して…」。機械音なら悩む必要などない。容赦なく切ってしまう。人間の声なら、忍耐が必要だ。電話の面接員が世論調査の概要について説明後、「3分(または5分)ほど時間を割いてほしい」と要請すれば、「今、会議中なので」とか言いながら、できるだけメンツを保とうとする。

◆世論調査機関、リアルメーターが、昨年12月28日から30日にかけて、19歳以上の男女1634人を標本に、政党支持率に関する定例調査を行った。中央選挙管理委員会によると、自動応答システム(ARS)の回答率は、電話面接調査に比べて著しく低かった。無線ARSの回答率が3.8%で最も低く、有線ARS(35%)=5.5%、有線電話面接(15%)=26.1%、無線電話面接(15%)=34%の順だった。リサーチアンドリサーチのべ・ジョンチャン本部長は、「回答率が過度に低ければ、母集団の特性を正しく測定できず、代表性が足りない」と話した。

◆昨年12月29日、与党セヌリ党大邱(テグ)東乙の李在晩(イ・ジェマン)予備候補側で作ったA4で1枚分の「世論調査に関する行動要領の手引書」が公開され、波紋を呼んでいる。20代や30代のARS回答率が低いことを狙って、「世論調査の回答ボタンを押すとき、年齢を尋ねられたら、必ず20代、30代を選んでほしい」という指針を、この文書は盛り込んでいる。回答率の高い40代以上が、20、30代かのように答弁すれば、全体世論調査への反映率が高まることを狙ったのだ。ARS調査の場合、年代識別が難しいからだ。

◆11日、週間東亜(トンア)によると、第20代総選挙の選挙運動員らの間で、「世論調査の際、支持者500人を集めれば、補欠選挙で通る可能性が50%を超え、1000人を集めれば本選進出が確定的だ」という声まで出回っている。異常な世論調査による候補選びのやり方が、異常な選挙運動を招いている。与野党は昨年12月31日、携帯電話加入者の居住地や年齢を把握できる安心番号制導入を柱とする公職選挙法の改正案を可決させた。にもかかわらず、ARS調査方式が消えない限り、世論操作の誘惑は消えないだろう。

朴濟均(バク・ジェギュン)論説委員 phark@donga.com