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[オピニオン]「パピヨン少女」の2センチの家

[オピニオン]「パピヨン少女」の2センチの家

Posted December. 25, 2015 07:49,   

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臨床心理学で使われるHTPテストは、絵で心を読む検査だ。1948年、心理学者のジョン・バック(1903〜1983)が開発した。誰にも馴染みのある家(House)、木(Tree)、人(Person)をA4の紙に描かせ、様々な質問で絵に投影された心理状態と性格を分析する。昨年「無限挑戦」、今年「マイ・リトル・テレビジョン」にこのテストが登場し、話題になった。

◆言語表現がうまくない子供にHTP検査は役立つ。子供が話さなくても絵が子供の内面を反映する。家の絵で親とどのような相互作用をしているのか、木の絵で自我のイメージを把握する。人の絵から、周囲の人々に対する心理を読む。例えば、根のない木を描いたとすれば、現実を支える力がないということであり、尖った木の枝を描いたとすれば攻撃性があると判断される。

◆絵の大きさは重要な評価基準になる。実父から長期間虐待を受けた11才のAさんは、小児精神科専門医だった与党セヌリ党の申宜眞(シン・ウィジン)議員との面談で、横2センチ、縦3センチの小さな家を描いた。別の紙に描いたクリスマスツリーもとても小さい。家とツリーは紙の左側に描かれていた。チャ病院美術治療クリニックのキム・ソンヒョン教授は、「紙に比べて極度に小さい絵は、心理的萎縮と孤立感を表す」とし、「特に左に偏っていることは、過去に固着した感情を表す」と説明した。

◆12日、仁川(インチョン)の家からガスの配管をつたって脱出した「パピヨン少女」の救助時の身長は120センチ、体重は16キロだった。家族から虐待を受け、7才程度に成長が止まった子供の絵は、普通の人の目で見ても尋常でない。苦痛の時間に対する声なき叫びのようで胸が痛い。1年前、父親の食べ残しのピザのかけらを食べた記憶でピザが一番食べたいと思い、クリスマスに人形のプレゼントを待つ少女。親に愛されたいという人間の原初的な望みを残忍に踏みにじった人々が憎い。Aさんが虐待の時間を忘れ、世の中と再び疎通できるまで、温かい関心を送り続けることが今の私たちの役割だ。

高美錫(コ・ミソク)論説委員mskoh119@donga.com



mskoh119@donga.com