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16世紀の朝鮮時代「観音菩薩図」、日本で発見

16世紀の朝鮮時代「観音菩薩図」、日本で発見

Posted November. 27, 2015 07:10,   

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厚徳でやわらかい顔の観音菩薩が片足を立て、蓮の花の上で優雅に座っている。慈悲深い視線は両手を合掌した善財童子に向けられている。華厳経が伝えるように、53人の善知識(仏法に明るい修行者)を一人ひとり尋ね、釈迦の法を求めた善財童子の誠意をけなげに思ったのか。観音菩薩が善財童子に説法する間、がっしりした体格の韋駄天が仏法を守護するためにその場を守っている。水中から咲く黄金色の蓮の花とくちばしに花をくわえて空を飛ぶ1羽の鳥が神秘さを増す。

16世紀中葉に描かれたと推定される朝鮮時代の貴重な観音菩薩図が日本で発見された。これまで明かになっている朝鮮時代の観音菩薩図は計4点。このうち片足を立てて座る姿の「遊戯坐観音菩薩」の仏画は、この作品が唯一。通常、高麗仏画は半跏坐(片足を曲げもう片方の足を下ろす姿勢)の観音菩薩図、朝鮮仏画は輪王坐(正面に向かって膝を立て、片手をついた姿勢)の観音菩薩図が主流をなす。

東国(トングク)大学博物館の館長で仏画の大家である鄭宇澤(チョン・ウテク)東国大学教授は、「最近、日本の神奈川県鎌倉市の寺院で非常に珍しい線描の観音菩薩図を発見した」とし、「観音菩薩の豊な顔と輪郭線の強弱、蓮の花のぼかし技法などから16世紀中葉に描かれたものと推定される」と明らかにした。鄭教授の言葉によると、これと類似の図像の木版画は、忠清北道丹陽(チョンチョンプクト・タンヤン)のクイン寺の所蔵本をはじめ6、7点あるが、絵画はない。

観音菩薩図は、横119.2センチ、縦70.9センチの麻布に描かれた。土台を赤で塗った後、金色で輪郭線を細かく描き入れる典型的な線描仏画だ。鄭教授は「この図は、中国の図像を持ってきて韓国式に再解釈した代表例だ」とし、「朝鮮前期の仏画の多様性を示す」と評価した。

鄭教授は28日に東国大学で開かれる東岳美術史学会で、この作品を扱った論文「朝鮮前期の新図像、線描観音菩薩図」を発表する予定だ。



sukim@donga.com