Go to contents

[オピニオン]親の住宅の相続を受ける

Posted November. 19, 2015 07:16,   

한국어

無住宅の子供が10年間、両親の自宅で同居してきたと想定しよう。この住宅の相続時の住宅価格が5億ウォンなら、おおむね5000万ウォンを税金として納めなければならないが、来年からは相続税を一ウォンも課されない対策が進められる。両親と同居した住宅の価格が5億ウォンを超える場合、5億ウォンまで控除の恩恵を受けることができる。

◆一昨日、国会企画財政委員会租税小委員会は、このような内容の相続税法の改正案に暫定合意した。税収減少の効果は小さいが、親孝行の奨励や家族離散防止に役立つということに、(珍しく)与野党の意見が一致した。世間の反応は、「斬新だ」、「年取っても無住宅者として年老いた親のすねをかじるべき、とでもいうのか」など賛否両論だ。政治圏の「親切な配慮」に惑わされて、住宅を購入せず、両親と一緒に暮らす人が、果たしてどれほどいるかは知らないが、親の扶養を条件に税金を削減するという発想が出てくるほど、3代が一つの屋根の下で暮らす大家族は、次第に珍しくなっている。

◆韓国より先立って、高齢化社会に進入した日本の場合、生前贈与を勧める社会的空気を造成している。消費性向の高い若者層は、使いたくても使える金がない。未来が不安な高齢者らは、金を握っていても使わない。結局、日本政府は消費活性化のため、「死ぬ前に資産を譲るべきだ」と、贈与誘導に乗り出している。最近は、祖父母が孫に直接贈与する「一世代を飛び越した財テク」も広がっている。若い世代が、上の世代の援助なしに資産を築くことが、年々難しくなっている世の中だ。

◆韓国の親たちは、子供に対して経済的援助を惜しまない。資金力のある親は、結婚する子供に億ウォン台のマンションを買い与えることを当然であるかのように思っているが、普通の親たちは、子育てや結婚費用の工面だけでも精一杯だ。昨日、韓国開発研究院が発表した「高齢層家計負債の構造的脆弱性」と題した報告書によると、60代以上の所得比家計負債の比率は161%と、全体平均の128%より一際高く、返済余力も脆弱であることが明らかになった。韓国社会では相続税で悩む人より、相続税について悩む必要のない人たちの方がより多いことも、貧富格差の素顔を示している。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com