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「一度顔を合わせただけで終わり…手紙でも交換できれば」

「一度顔を合わせただけで終わり…手紙でも交換できれば」

Posted October. 22, 2015 07:27,   

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2007年の離散家族再会行事で、二人の弟に会ったコ・ヨンボムさん(73)は21日、テレビを通して伝わる離散家族再会団の姿を目にし、「どうか、一度でもいいから、(弟に)会いたい」と言いながら、涙をこらえることができなかった。すでに一度、離散家族再会に参加したが、たった一度の行事は、さらに大きな名残惜しさだけを残した。かつて、再会行事に参加した離散家族たちは、再会の場面を見守りながら、果たして北朝鮮側の家族に再び会う機会があるだろうかと、辛い気持ちを隠すことができなかった。

「お兄さん、70歳の誕生日の時は、必ず連絡をください。連絡をくだされば、私、必ず行きますから」

コさんの記憶の中では、豪快に笑いながら、やるせなく70歳の誕生日お祝いのことを切り出した弟の笑う姿が、今も目に焼き付いている。そんな弟が、別れの瞬間に遠く離れて、こっそり涙を拭う姿はいまだ忘れられない。そのため、家族に会った喜びもつかの間、その後再び連絡すらできないというもどかしさのためか、うつ病にかかったこともあった。ブローカーを通じて、北朝鮮の弟に連絡を取ろうとしたが、そのつど失敗した。コさんは、「再会団の一人ひとりが、自分のことのようだ」とため息をついた。

ユン・チェグムさん(82・女)は、再会行事をテレビで見た後、闊達だった姿が消えた。14年前に会った末の弟が懐かしくなったらしい。間もなく、「涙を流して会い、涙を流して別れる再会団と同じ気持ちだ」と息を切らした。今回の再会で、65年ぶりに再開した「新婚夫婦」の韓国側の妻のイ・スンギュさん(85・女)と、北朝鮮側の夫のオ・インセさん(83)のエピソードが、ユンさんの気持ちを揺るがしたという。ユンさんは、「これで、夫婦として積もった気持ちを晴らすことができたんだから…」と話した。

2009年、父親と一緒に北朝鮮側の叔母に会ったソン・ソンホさん(56)は、「叔母と従妹たちに再び会うことができず、やるせない」と気持ちを明らかにした。離散家族再会が1回で終わったため、父親が再会の翌年に亡くなったことも、北朝鮮側の家族には伝えられなかった。ソンさんは、「1回きりの再会が、手紙の交換や生死確認へとつながることになればいいのに」と話した。

すでに家族に会っているだけに、いまだあっていない家族にはすまない気持ちもある。ユンさんは、「今や(再び会うことすら)遅すぎる」と語り、「一度も会っていない離散家族のためにも、再会が定例化されることを願う」とも話した。



kilo@donga.com