Go to contents

歴史教科書国定化巡る与野党攻防、大学入試に発展

歴史教科書国定化巡る与野党攻防、大学入試に発展

Posted October. 20, 2015 07:28,   

한국어

歴史教科書の国定化問題で攻防を繰り広げている与野党は、世論を刺激するために学習負担や大学修学能力試験(修能、日本の大学入試センター試験に相当)といったキーワードを前面に出している。イデオロギーよりも入試問題の方が世論を引きつけるうえで効果的と踏んだからだ。

単一の国定教科書が修能に及ぼす影響をめぐって与野党は相反する主張を展開している。与党のセヌリ党は「教科書が8冊から1冊に減って受験生の学習負担が軽くなり、修能が受けやすくなる」と主張するが、野党の新政治民主連合は「修能を1冊の教科書から出題すれば、枝葉末節なことを出題し、より難しくなるだろう」と反論している。これに対して、現場の教師や入試専門家たちは、「いずれも間違っている」指摘する。教科書の国定化と修能の難易度は別物ということだ。

政府は、2017学年度の修能、すなわち現在の高校2年生が受ける修能から韓国史を必修科目に指定し、すべての生徒が受けるようにした。教育部は、韓国史を必須にする代わりに生徒の学習負担を減らすという趣旨で、ランクだけを算出する絶対評価方式を適用することを決めた。教育部は、「韓国史を必須化し、基本的な内容だけを平易に出題すると予告したため、国定化で修能が難しくなるという主張は事実とは異なる」と明らかにした。

ソウルのある高校の韓国史教師は、「今も生徒は学校が選択した1冊の検定教科書だけを勉強するため、国定化によって学習負担は減りはしない」とし、「修能の勉強のほとんどをEBSでしている現実を分かっていない発言だ」と強調した。あるインターネット講義サイトの韓国史講師は、「広範囲な韓国史の教育課程内容から数千題を出さない限り、枝葉末節な質問が出ることはない」とし、「修能は過去の学力考査と違って概念中心の試験なので、枝葉末節なことをただ暗記して準備する試験ではない」と指摘した。

修能韓国史の過去問題を見ても、与野党の主張はオーバーな面がある。2005学年度以降、近現代史を扱った修能の質問は6〜8種の検定教科書に共通に掲載された学界の通説を中心に出題されている。歴史関連の科目は修能に出題する際、偏向性の問題が起こる可能性があったり、学界でまとまっていない理論などを除くためだ。教科書では理念問題が絶えないが、修能の過去問題では偏向性などの誤謬問題はなかった。

鍾路(チョンロ)学院ハヌル教育のオ・ジョンウン評価理事は、「現高校2年生が受ける修能模擬試験の成績を基準に見ると、少なくとも3人に1人は3ランク以上を獲得するだろう。ほとんどの大学の募集最低学力基準や定時募集の満点基準を満たすことになる」とし、「絶対評価体制の修能韓国史は、実質的な受験の負担が大きくないだろう」と見通した。