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[オピニオン]金武星氏の恋愛勧め

Posted October. 09, 2015 07:27,   

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親なら年頃の娘がいい男性に出会って、恋をして結婚することを願う。娘が「白馬に乗った王子」のような幻想に嵌って、恋ひとつしたことのない「生まれつきの一人暮らし」なら、心配も並大抵のものではないだろう。2、3年前から外国で流行っていた恋愛塾まで、国内に登場している。最近この業界では、別れた恋人が忘れられず、カウンセリングを要請する再会問い合わせが増えているという。どうせ、新しい相手を探すのも力のいることなので、かつての恋人に目を向けるのだろうか。

◆愛にも権力関係が存在する。恋する恋人同士のうち、恋する度合いの軽いほうが権力を握る。相手をもっと愛すれば負けることになる。交際の際、悪い男が魅力的に映るのも、同じような理由からだ。交際に長けた人たちは、気を許すべきかどうか迷うふりをしながら、すぐに空の星でもとってくるかのようにふるまう。稀代の色男カサノバも同じだった。彼は、付き合っていた数多い女性たちを、付き合っていた時はいつも本気で愛した。だから、彼から離れられなくなる。しかし、親なら自分の娘がこんな悪い男とは付き合わないことを願うだろう。

◆与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表は一昨日、梨花(イファ)女子大学での招聘特別講義で、「恋愛経験があってこそ、人を見る目ができる」と、交際を勧めて話題となっている。金代表は講義開始前に司会者から、「身の上に関する質問だけは避けてほしい」と言われると、しばらく虚空を眺めながら、万感こもごもの表情を浮かべた。しかし、「うちの次女は、男と付き合った経験がなかったので、(夫を)選び間違えて大変苦労している」と語り、娘婿の麻薬投与事件による心理的苦痛を打ち明けた。与党圏の有力大統領選挙候補の一人と言われている金代表の率直な発言に、女子大生らの反応は悪くなかったという。

◆「交際のコツを教えるべきだ」という金代表の言葉に共感する親たちは少なくない。しかし、梨花女子大生らを始め、多くの大学生らは低学年の時から、就活準備に追われ、男性と付き合う余裕すらないと悲鳴を上げている。いい男はいくら真剣に探してもおらず、悪い男には傷つけられたくないという贅沢な理由だけで交際を避けているわけではない。政権与党代表が、労働改革を実現させ、若者失業者問題だけでも解決してもらえれば、大学生たちもひとしお恋愛できる余裕を取り戻せるかもしれない。

崔英勳(チェ・ヨンフン)首席論説委員 tao4@donga.com