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「逆境の男」ジェイソン・デイが悲願のメジャー初優勝、全米プロゴルフ選手権

「逆境の男」ジェイソン・デイが悲願のメジャー初優勝、全米プロゴルフ選手権

Posted August. 18, 2015 07:22,   

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最終ホールで優勝を決めるパットが終わっていないというのに、男の目にはすでに涙が溢れていた。これまで手が届きそうなところで何度も逃した悲願のメジャータイトルだった。ついにそのタイトルを勝ち取った感激のあまり、これまでの苦い思いが重なり、零れ落ちる涙は止まることがなかった。第97回全米プロゴルフ選手権で頂点に立ったジェイソン・デイ(28=豪州)だった。

世界ランキング5位のデイは17日、米国ウィスコンシン州コーラーのウィスリングストレイツ(パー72)で行われた第4ラウンドで、5打を減らし、通算20アンダー268で優勝し、自身初のメジャーチャンピオンになった。PGA史上3人目の同一シーズンメジャー3勝目を狙ったジョーダン・スピース(22=米国)を3打差で引き離した。優勝賞金は180万ドル(約21億ウォン)。

デイが記録した20アンダーは歴代メジャー大会の最小スコア記録だ。以前の記録はタイガー・ウッズ(米国)が2000年の全英オープンで打ち立てた19アンダー。

デイは、今大会までメジャー大会で9度もトップ10に入ったが、優勝とは縁がなかった。今年だけでも、全米オープンと全英オープンで、最終ラウンドを首位タイでスタートしたが、優勝へのプレッシャーを克服できなかった。

しかし、この日は違った。スピースとの直接対決でも平常心を失うことはなかった。300ヤードを超えるドライバーティーショットを武器に攻撃的なプレーと安全にグリーン中央を狙う賢いコース攻略が調和を成した。7番(パー3)で15メートルのバーディーパットを沈めるほど、鋭い感覚を保った。デイが17番(パー3)で18メートルのロングバーディーパットをカップ50センチにつけると、スピースはデイに向って親指を立てて、事実上敗北を認めた。

デイの父親はアイルランド系豪州人で、母親はフィリピン生れの移民だ。3歳のとき、父親からもらった古ぼけたゴルフクラブがきっかけでゴルフを始めたデイは、貧しい家庭環境の中で捨てられたクラブを拾って使い、救世軍センターで買った衣服を着て生活した。

12歳の時、父親が胃がんで亡くなってから暮らし向きはさに厳しくなった。デイは、荒れ果てた生活に陥り学業から遠のいた。母親は住んでいた家を売り払ったお金で、息子を有名国際学校に入れた。母親のサポートを受けながら心を引き締めたデイは、学生時代の3年間、毎日朝5時半から練習に打ち込んだ。今回優勝を手伝ったキャディのコーリン・スワットンはデイが12歳の時から縁を結んだコーチ兼メンターだった。

デイは2013年の台風30号「ハイエン」がフィリピンを襲い、祖母やおじなど親族8人を亡くした。2010年から突然目眩がする「良性発作性頭位めまい症」を患っているデイは、今年の全米オープン第2ラウンドの途中、目眩を起こして病院に搬送されたこともある。度重なる逆境にも諦めなかったデイは、ついに自分のデイ(日)を作った。

デイは2009年、米国オハイオ州の飲み屋で働いていたエリーと結婚した後、2012年に息子をもうけた。2012年、慈善団体を設立したデイは、恵まれない子どもたちを助けることに本格的に取り組み、台風被害に見舞われたフィリピンに大金の支援金を送った。

一方、スピースは55週間、ロリー・マキロイ(北アイルランド)が守っていた世界ランキング1位の座に初めて上り詰めた。



kjs0123@donga.com