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[オピニオン]金正恩の「主体」標準時

Posted August. 08, 2015 07:21,   

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ソウル、釜山(プサン)、大邱(テグ)、光州(クァンジュ)、大田(テジョン)がそれぞれ異なる時間を使えばどうなるか。別の場所に住む人々が会う約束する度に、どの地域の時間を基準にするか事前に決めなければならない。紛らわしく煩わしいことこの上ない。そのため、たいてい一つの国では地域が違っても統一された時間を使う。まさに標準時だ。むろん、米国、ロシア、カナダのように国土が大きな国は、地域別に一つの標準時を使う。

◆標準時は、英国のグリニッジ天文台を基準に決まる。地球の北極点と南極点を結ぶ子午線を東経と西経に分ける時の出発点がグリニッジだ。地球の周囲360度を1日24時間に分ければ、15度ごとに1時間の差が生じる。ソウルはグリニッジの東に位置し、東経135度を標準時とする。そのため、ロンドンとソウルでは9時間の差が生じる。ソウルは本来、東経135度ではなく127.5度だ。西洋標準時を使った当初は127.5度を基準としたが、日本による植民地支配期に東京の東経135度に変わり、そのまま使用された。

◆北朝鮮が今月15日から東経135度ではなく東経127.5度を標準時に使用することを明らかにした。「日本が奪った朝鮮の標準時」を取り戻すという理由を挙げた。こうなると、平壌(ピョンヤン)はソウルより30分遅れ、ソウルが午前10時の時、平壌は午前9時30分になる。標準時は1時間差が普通で30分差は珍しい。今後は北朝鮮と会ったり何か約束をする時、外国のように「ソウル時間」、「平壌時間」を決めなければならなくなる。

◆北朝鮮は、金日成(キム・イルソン)主席の生誕の年を基準に「主体」という年号を使う。2015年は「主体104年」だ。世界がみな太陽暦を使うのに、王朝時代でもなく主体年号を使う北朝鮮はもどかしい。主体は一国だけで使うので影響はほとんどないが、標準時は違う。同じ民族で韓半島の半分が異なる時間を使うということは、不便で不快だ。日帝の残滓なので東経135度の標準時を使わないというなら、近代の科学技術はほぼ全て日本を通じて入ってきたのではないのか。

李進寧(イ・ジンニョン)論説委員jinnyong@donga.com



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