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[社説]現代車が韓国ではなくドイツにネットバンクを設立する理由

[社説]現代車が韓国ではなくドイツにネットバンクを設立する理由

Posted July. 30, 2015 07:21,   

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現代(ヒョンデ)自動車グループが欧州市場の攻略のため、早ければ来年上半期に、ドイツでインターネット専門バンク「現代キャピタルバンクヨーロッパ」の営業を開始する。初期資本金4420万ユーロ(約570億ウォン)を投資して、欧州市場で自動車の分割払いやリース、保険など、様々な自動車金融商品を販売し、融資や預金の預け入れ業務を手掛ける計画だ。ドイツでは、BMWやメルセデスベンツ、フォルクスワーゲン、トヨタ、ホンダなど、グローバル自動車メーカー各社がネットバンクはもとより、店舗を備えて一般銀行の営業まで手掛けている。現代車が韓国ではなく、ドイツにネットバンクを設立する理由は、ほかならぬ法的規制のためだ。

韓国の銀行法は、産業資本と金融資本とを分ける、金融と産業の分離原則のため、産業資本が銀行への議決権を持つ持ち分を4%以上保有できないよう定めている。三星(サムスン)や現代車のように、相互出資制限集団と指定された大手企業に銀行設立をできなくさせた独占規制や公正取引に関する法律も存在する。金融委員会は先月、ネット専門バンクについては、産業資本の銀行保有限度持ち分の限度を拡大する銀行法改正を推進すると明らかにした。しかし、資産5兆ウォン以上の大企業グループは外された。金融委が推進する銀行法改正についても、国会議員の多くが、「財閥のための法」だと否定的な反応を見せており、これさえ国会で可決されるかどうか不透明だ。

韓国では、銀行を所有するだけの資金力を持っている金融資本は少ない。厳しい金産分離規制のため、政府所有銀行を民営化するためには、かつて、韓国経済に大きな被害を与えたローンスターのような海外投機資本のほかは、資格を備えた候補を探すのも容易ではない。預金保険公社が大株主となっているウリ銀行を民営化し、「オーナー」を探す作業が4度も失敗して長引いたことも、金産分離規制が大きなネックとなった。

この規制を緩和すれば、銀行が大企業など産業資本の個人金庫に転落する懸念が高いという主張もあるが、現在の規制をこのまま維持することによる弊害についても、考えるべき時期に来ている。金融市場の競争力を高め、消費者の便益を増大させる一方、参入壁を崩して、ナマズのようなライバルを引き入れる必要がある。敏感な事案となっている一般銀行の金産分離緩和はひとまずさておいても、まず、ネット専門銀行から先に産業資本の参入規制を大幅に緩和するのが望ましい。