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[社説]国家安保と国益がかかったTHAAD、政府は堂々と明らかにせよ

[社説]国家安保と国益がかかったTHAAD、政府は堂々と明らかにせよ

Posted May. 20, 2015 07:27,   

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米国のケリー国務長官の発言で、高高度ミサイル防衛(THAAD)システムの韓国配備問題が新たな局面に入った。ケリー長官が18日午後、韓国を発つ直前に龍山(ヨンサン)の在韓米軍基地で、北朝鮮の核開発について取り上げ、「私たちがTHAADシステムについて語る理由だ」とTHAADの韓半島配備の必要性について言及したのには、戦略的意図がうかがえる。このような状況で、THAAD配備に関していかなる要請も協議も決定もないとだけ繰り返す韓国政府に、国民は苛立ちを感じている。

北朝鮮がSLBM発射試験に成功すると、国防部は4、5年内に実践配備するという見通しを出した。北朝鮮の核問題は、中国の専門家たちが現在20個の核弾頭を保有していると推定するほど深刻だ。北朝鮮が弾道ミサイルの試験発射を継続することも脅威だ。このような状況で、在韓米軍の保護のためにTHAAD配備を考慮する米国よりも韓国が緊迫感をもって動いてこそ正常だ。北朝鮮の核ミサイル防衛用の韓国型ミサイル防衛(KAMD)とキルチェーンは、2020年代中盤に構築される。そのうえ、SLBM防衛には穴が開いている。THAADが最善の策なら、堂々と明らかにし、米国と配備問題の協議を急がなければならない。

27日から、シンガポールでアジア安全保障会議(シャングリラ対話)が始まる。韓民求(ハン・ミング)国防長官が出席し、米国のカーター国防長官と会う予定だ。米国が、来月の韓米首脳会談でTHAAD問題を提起する可能性もある。北朝鮮の脅威が深刻化する状況で、韓米がTHAAD配備を含む具体的な対策を協議しなければ、強力な同盟という言葉は空しいレトリックになるだろう。

THAAD問題はすでに昨年から公論化している。米国が度々信号を送っているにもかかわらず韓国が知らん振りすれば、韓米関係に悪材料になりかねない。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は、韓中安保協力を期待して金章洙(キム・ジャンス)前国家安保室長を駐中大使に起用した。金大使の活動は、最近、香港の鳳凰テレビの会見で、「THAADは中国が憂慮する事柄ではない」と言ったのがすべてだ。政府はもはや曖昧にせず、中国にTHAADの配備は主権国家の自衛の次元で検討するものだと堂々と明らかにし、問題を終息させなければならない。

日本の中谷元防衛相は、「北朝鮮が米国をミサイルで攻撃し、2発目の発射が準備されている状況であれば、集団的自衛権を行使し、北朝鮮の基地を攻撃することが可能だ」とし、「基地先制攻撃」について言及した。北朝鮮の脅威に対抗して最高の防衛体制を備えることが、政府がすることだ。