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[社説]AIIBを国益レベルで決断してこそ、サードの解決策も出てくる

[社説]AIIBを国益レベルで決断してこそ、サードの解決策も出てくる

Posted March. 17, 2015 07:20,   

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中国外交部の劉建超次官補の訪韓をきっかけに、高高度ミサイル防御(THAAD=サード)体系の配置やアジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟をめぐる韓中、韓米の議論が公式局面に差し掛かっている。劉次官補は昨日、外交部の李京秀(イ・ギョンス)次官補に会って、「米国と韓国がサード問題について妥当な決定を下し、中国の関心や懸念を重視してほしい」と要請した。劉次官補は、AIIBについては3月末までとなっている創設メンバーの加盟期限について言及し、「韓国が前向きに検討して、創設メンバーになることを期待する」と明らかにした。

中国の「AIIBへの加盟要請とサード反対」という立場の表明は、米国と中国がそれぞれ主導するサードとAIIBを巡って苦悩する韓国に決断を迫る性格があるだろう。米国防部のダニエル・ラッセル東アジア太平洋担当次官補と李次官補の今日の面談でも、サードとAIIBを巡る議論は避けられなくなった。サードとAIIBは、韓米同盟や韓中関係はもとより、激変している北東アジアの情勢まで考慮した戦略的判断が必要だ。主権国家の観点から必要性を突き詰めれば解決策ははっきりしている。外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官が14日、東亜(トンア)日報とのインタビューで明らかにしたように、「国益に基づいて周辺国に振り回されずに判断する」のが最もよい。

アジア開発途上国のインフラ建設を目的にしているAIIBについて、米国は、中国の独走が懸念される支配構造を問題にして、同盟国の参加に反対している。しかし、英国が参加を決定しており、豪州も不参加の立場を変えたことで状況が急変した。創設メンバーに参加しなくても、後ほど加盟すれば、出資金の持分や議決権の面で不利になり、「マイナーメンバー」になる懸念もある。我々としては、AIIBを通じて北朝鮮のインフラ構築を支援する「統一準備」の青写真も念頭に置く必要がある。

サードは、北朝鮮の核やミサイル脅威に備えるための手段として、配置が取り上げられている。中国の膨張に立ち向かうための米国の戦略として解釈するのは、敏感すぎる。AIIBの加盟如何は、韓国の役割を示し、中国と交渉を行って判断するのが理にかなっている。米中の間でバランスを取るために受身に対応し、その結果、片方との関係が傷つく「ゼロサムゲーム」になってはならない。米国と中国を説得して国益を貫く能力があるかどうか、韓国の外交が試されている。