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[オピニオン]奉恩寺駅かCOEX駅か

Posted March. 05, 2015 07:23,   

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2010年10月、ソウル江南区(カンナムク)の奉恩寺(ボンウンサ)で、ある宣教会の教育生が寺がつぶされることを祈る様子がユーチューブに流れた。奉恩寺は、新羅の元聖王10年(794年)に創建され、西山大師、四溟大師などの高僧を輩出した由緒ある寺院だ。仏教界を中心に非難の声が起こった。波紋が広がると、教育生は奉恩寺を訪れて謝罪した。奉恩寺の住職だったミョンジン僧侶は、宗教間の意思疎通のための討論会を提案した。

◆開通を控えたソウル地下鉄9号線「奉恩寺駅」の名称をめぐって、キリスト教側が強く反発している。彼らは、特定寺院の名前ではなく隣接するCOEXの名前を取ってCOEX駅にすべきだと主張する。一部の教会団体は、駅名の使用禁止仮処分申請を提起し、反対署名を集めた。仏教界では、「COEXは30年も経っていないが、奉恩寺は1200年を超えた文化遺産だ」とし、理解できないという反応だ。全国には、望月寺(マンウォルサ)、白羊寺(ペクヤンサ)、喜方寺(ヒバンサ)、直指寺(チクチサ)など寺院の名前を取った駅が多いが、なぜ奉恩寺だけ問題になるのかと反論する。

◆キリスト教団体は、「仏教寄りの朴元淳(パク・ウォンスン)市長が介入したのではないか」と攻撃する。朴市長は就任前、奉恩寺の未来委員長(2007〜2010年)を務めたことがある。しかし、ソウル市は、「駅の名称は『昔の地名』を優先順位とし、文化財、固有名詞のようになった公共施設の名称の順で考慮し、委員会で3回にわたって会議を開いて決めた」として変更しない方針を明らかにした。あるウェブサイトが3日に実施した意見投票では、52対48でCOEXが奉恩寺をリードした。午前まで70対30で奉恩寺をリードしていたにもかかわらずひっくり返ったのは、組織的動員のためだという主張もある。奉恩寺側も、駅名決定前のインターネット調査で信徒の参加を呼びかけた。お互い様ということだ。

◆奉恩寺は、仏教を離れ、韓国の伝統文化の一部だ。COEX一帯と現代(ヒョンデ)自動車が買い取った韓国電力の跡地は、以前は奉恩寺の土地で、江南開発の時に安値で収用された。一旦決定された駅名をひっくり返せば、仏教界が立ち上がるだろう。この問題が宗教間の葛藤に飛び火することは望ましくない。互いに一歩ずつ「奉恩寺駅(COEX)」で歩み寄るのはどうだろうか。

崔英勲(チェ・ヨンフン)論説委員 tao4@donga.com



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