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[オピニオン]孔枝泳の右往左往

Posted December. 31, 2014 04:23,   

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小説家の孔枝泳(コン・ジヨン)氏は2011年、出版社の代表などと一緒に、欧州7ヵ国を旅行した。欧州鉄道会社のユーレイルグループが、韓国の広報代理店を通じて、航空券やファーストクラスのユーレルパスなど、1700万ウォン分の費用を払った。「旅行後、旅行記を本として出版する」という約束が、出版社を通じて交わされた。2ヵ月後、孔氏は、とある座談会で旅行記の出版計画について明らかにした。しかし、本は出版されなかった。韓国の広報代理店が訴訟を起こし、孔氏は被告となった。1審では、孔氏と出版社が共同賠償すべきだという判決が下されたが、2審では、証拠不足を理由に、孔氏には賠償責任を問わなかった。しかし、孔氏が旅行を楽しみ、約束を破ったことだけははっきりしている。

◆今度は、孔氏が告訴人となった。ネット上で、「悪魔」、「雑巾」などの言葉で孔氏に対して繰り返し人身攻撃を行ったと主張し、ネットユーザー7人を検察に告訴した。最大野党の新政治民主連合も「援護射撃」に乗り出した。明白な犯罪行為であり、告訴は避けられないという。彼らが普段、表現の自由を強調してきたこととは、まるっきり異なる姿だ。

◆孔氏も同様に保護を受ける権利があるが、今回の告訴に、気軽に共感を示せない人たちもいるような気がする。彼女が次々と放ってきた「言葉の矢」のためだ。最近も、統合進歩党の解散決定を下した憲法裁判所に対し、「一時は最低人間だった死刑囚らが、あなたたちよりましだ」と主張した。朴槿恵(バク・クンへ)大統領を「ナチス」に喩えたこともある。攻撃の対象は、主に保守陣営だ。

◆孔枝泳の読者らの大半は、彼女の言動に背を向けている。ツイッターの絶筆を宣言したが、わずか5日後に戻ってきたことがあり、「ハンストなど自虐的行動は止めるべきだ」と主張したものの、「文在寅(ムン・ジェイン)が大統領になるべきだ」と、自らハンストに乗り出したこともあったからだ。与党セヌリ党を批判するかと思ったら、7月の国会議員の再選補欠選挙に立候補した新政治民主連合の權垠希(クォン・ウンヒ)候補については、「聖女を選ぶ場ではない」とかばった。83万人のフォロワーを抱えている彼女の発言は、ネット上を通じてあっという間に広まる。彼女の右往左往する行動が広がるほど、悪いイメージで損をするのは、進歩陣営のほうだ。新政治民主連合は、これを分かっていながら肩を持っているのだろうか。

洪贊植(ホン・チャンシク)首席論説委員 chansik@donga.com