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[オピニオン]「統一薬菓」の将兵慰問

Posted September. 10, 2014 07:29,   

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陸軍6師団の将兵1万2000人余りは、今年の「秋夕(チュソク、陰暦8月15日の節句)」に、特別な慰問品を受け取った。「統一薬菓(ヤックァ=おやつの一種)」という名のおやつ10個入りの箱が、全ての将兵に一つずつ手渡された。統一薬菓は、伝統的薬菓とは違って、パイのようにばさばさしていて、甘く、新世代の将兵らの口によく合っている。将兵らは、箱に書かれた「大韓民国をお願いします」という文句を見ながら、薬菓を送った人たちの気持ちを考えただろうか。

◆統一薬菓は、脱北女性1号博士のイ・エラン北朝鮮伝統飲食文化研究院院長の作品だ。食品栄養学を専攻した氏は、08年、北朝鮮の伝統的食べ物の統一薬菓や朝鮮味噌、平安道(ピョンアンド)のチャプサルスンデ(もち米入り豚の腸詰)、咸鏡道(ハムギョンド)のカムジャマンドゥ(ジャガイモ餃子)などを作る事業を開始した。 統一薬菓は、王に進上していた伝統薬菓の一種の開城(ケソン)薬菓を再現したものだ。イ院長は昨年の正月から、国軍の将兵らに、統一薬菓を送る運動を始めた。これまで、白翎島(べクリョンド)や延坪島(ヨンピョンド)の海兵隊と陸軍5師団に、統一薬菓をプレゼントしてきた。

◆6師団に送った薬菓12万個を作るのに、10数人の手作業で、1ヶ月間かかった。研究院の職員らも、参加したが、主に、脱北者出身の大学生らが、学校の休みの期間中に生地を練り、ばさばさするよう、何度も棒を使って生地を伸ばし、油であげた。イ院長は、「最近相次いでいる兵営事件によって傷つけられ、士気の落ちた若い将兵らに伝える慰問品であり、脱北大学生らが、特に真心をこめた」と説明した。その経費は、国を愛する後援会やサムフンコレクション、南仁川(インチョン)放送などが送った後援金で、何とかまかなうことができた。

◆中部戦線に位置している陸軍6師団も、南景弼(ナム・ギョンピル)京畿道(キョンギド)知事の息子の暴行やセクハラ事件で、兵営危機に見舞われた部隊だ。兵士らが統一薬菓を食べながら、「現在、軍が経験している混乱は、『ヤックァ(なんでもない)』」という覚悟を固めてほしい。イ院長は、大手企業20数社に支援を訴える手紙を送ったが、ただの1社からも回答が無かったと、残念がった。景気が悪いとはいえ、混乱に落ちている将兵らを励ますべきだという世論とは、全く違う。来年の秋夕には、企業各社が国会に使う機嫌の10分の1でも、将兵らの士気のために使ってほしい。

方炯南(バン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com