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[オピニオン]オランド大統領の2つの顔

[オピニオン]オランド大統領の2つの顔

Posted September. 06, 2014 09:52,   

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旧東ドイツの劇作家、ベルトルト・ブレヒトは、世界の左派知識人に大きな影響を与えたマルキシストだ。資本主義と有産階層に対して敵対感を示し、民衆の側についたが、正反対の顔もあった。「民衆が飢えようが飢えまいが私の知ったことではない。ともかく成功して有名にならなければならない。私の演劇を披露できる劇場を持たなければならないのだから」。こんな発言もしていたと、英ジャーナリスト、ポール・ジョンソンが著書「知識人」に書いた。

◆2012年に当選した社会党所属のフランス大統領、オランド氏は、「庶民の大統領」を標榜し、大企業と高所得者への増税を公約した。政権後、分配の公平性を高めるとして、高所得層に75%の所得税を課すスーパー課税法を強行し、違憲判決を受けた。オランド・ショックで経済は低迷し、失業率が急増したため、政権社会党は今年3月の地方選挙で惨敗した。オランド氏の支持率は歴代大統領の中でも最低の14%に墜落し、今年の成長率の展望値は0%内外となった。

◆フランス初の「事実婚パートナー・ファーストレディ」として活動し、オランド氏の浮気に怒って今年初めに別れた、バレリー・トリルベレール氏の暴露本が話題だ。8年間、同棲したトリルベレール氏は、「左派であるオランドは金持ち嫌いとして振る舞うのを好んでいたが、実際には貧しい人々を嫌い、『歯無し』と呼んだ」と明らかにした。オランド氏は、労働者出身のトリルベレール氏の両親に対しても、「たいして良い人ではない」と否定的に評価した。

◆米ニューヨークタイムズのコラムニスト、デイヴィッド・ブルックスが、「ブルジョア(金持ち)」と「ボヘミアン(自由人)」を組み合わせた「ボボス」のフランス語「ボボ」は、物質的豊かさと文化的豊かさを共に享受しようとする左派の人々のことを指す。キャビア左派やリムジン左派、韓国で言えば江南(カンナム)左派といった概念だ。オランドやブレヒトのように、「言行不一致」の左派政治家や知識人は韓国にも多い。自分は豊かさを満喫し、子どもを学費の高い外国語高校教や外国人学校、米国留学に送りながら、口を開けば庶民と構造的不平等を語り、「金持ち批判」に熱を上げることも、理念と生活が一致しない偽善だ。

権純活(クォン・スンファル)論説委員shkwon@donga.com