三星SDIが、外国企業としては初めて、中国のエネルギー貯蔵装置(ESS)市場に本格的に進出する。三星SDIは、中国の電力装備や新再生エネルギー関連部品メーカー・サングロー(Sungrow)社と、ESS合弁会社を設立することに最終合意したと、17日明らかにした。
サングローは、中国の太陽光インターバー市場で、30%以上のシェアを占めており、中国市場トップ、世界市場で2位についた企業だ。両社は、合弁会社を立ち上げ、今後、大きな市場が期待される中国の電力用ESS市場を共同で開拓し、生産拠点に共同で投資する方針だ。
三星SDIの関係者は、「現在、中国は世界のリチウムイオン2次電池ESS市場の最大市場だ」とし、「最近、リチウムイオン2次電池ESSの中でも、発電所や送信配電網、太陽光や風力などの新再生エネルギー発電などに設置される電力用ESSを中心に、市場が早いテンポで形成されている」と主張した。
昨年、世界のリチウムイオン2次電池ESS市場規模は、703MWhを記録した。そのうち、中国市場が144MWhで、約20%以上を占めた。単一国家としては最大規模だ。今後20年まで、中国市場は少なくとも世界市場の15%レベルを地道に占めるという予測が出ている。特に、中国市場の60%以上が、電力用ESSだ。
両社が最近、中国現地で交わした覚書(MOU)によると、合弁会社は、中国内のESS開発や生産、販売に専従することになる。三星SDI側は、「現在、中国の太陽光発電所の需要は、世界で最も大きい規模だ」とし、「サングローが、中国現地で確保している太陽光発電所関連ネットワークや営業網を最大限活用し、ESS事業を拡大していく計画だ」と主張した。
現地法人や生産工場の立地は、近いうちに確定される。三星SDIは、工場を来年上半期(1〜6月)中に着工し、上半期(7〜2月)から、本格的な生産を開始するという目標だ。三星SDIは、ESSバッテリーパックやシステムを、現地で生産することで、中国市場での競争力を根本的に高めることができる。
三星SDIはさらに、中国陝西省西安にある自動車電池工場で生産した高性能セルを、ESS生産に活用し、自動車電池事業とのシナジーも強化するという戦略だ。中国現地で生産したセルを活用することで、工場の製造コストを削減し、物流コストなどは大幅に削減できるものと期待される。
三星SDIの朴商鎭(バク・サンジン)社長は、「今回のESS合弁会社の設立は、今後、本格的な成長が見込まれる中国ESS市場を開拓し、先取りする頼もしい基盤であり、礎になるだろう」と明らかにした。