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[オピニオン]「女子中学生の悪魔」ファミリー

[オピニオン]「女子中学生の悪魔」ファミリー

Posted August. 06, 2014 03:38,   

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青少年版の「悪魔を見た」という話が出ている。「ユン一等兵事件」への国民的憤りがたぎっている中、今回は、金海(キムヘ)地域の女子高生殺害事件の全容が想像を絶している。家出をして一緒に暮らしていた女子高生を、女子中学生らが残酷に殺害し、犯行隠蔽のため、遺体まで毀損した。犯行の手口も残酷だが、加害者らの年齢が、わずか15歳であり、なおさら驚かざるを得ない。我が社会の堕落を示しているのか、それとも、我が社会の極めて一部の極端的な断面か、気になる。

◆女子高校に入学したばかりのユン某さんが、ソーシャルネットワークサービス(SNS)で知り合った20代の男性の口車に乗って家出したのは、3月15日。その後、ユンさんの行方は、家出の少年らが経験する一般的なルートをたどっている。最初は、自分によくしてくれる男と一緒に暮らし、本性を現したその男の強要で、買春を強いられる。ユンさんの父親が家出届けを出したことに気付いた加害者らは、ユンさんを2週間後に自宅に帰すが、再び家出させる。そのとき、ユンさんが、家出の代わりに、家族や学校、警察、それとも誰でもいいから助けを求めるところがなかったのか、残念でならない。

◆家出をした青少年らは、1人で寝食を解決することができず、同じ立場の青少年らが集まった家出ファミリー(家出ファム)に加わることになる。家出ファムも、一種の家族であり、部屋代や生活費、さらに遊興費まで必要になる。その資金の工面のため、彼らが簡単に手を出すのが、SNSを通じての売春だ。家出ファムが、強盗や窃盗、買春など、10代犯罪の温床になる理由でもある。今回の事件は、20代の男らが女子生徒らに近づいて家出をそそのかし、女子生徒らはお互いに喧嘩しながら、監視し合い、ファムから離れさせなかったことで、より一層あくどい。

◆犯行を主導した大人の男性らはもとより、女子中学生らも厳しく罰して当然だ。男らの脅迫や強要で、犯行に加わった女子中学生らに、一部から同情論が出ているが、15歳は、決してあのような残酷な行動をしてはならないことまで、知らない年ではない。それでも、大人たちの気持ちは決して穏やかではない。子供らにとってスイートホームになれなかった家庭、垣根の機能を失った学校、買春をする社会が、このような「小さな怪物たち」を育て上げたのだ。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員 shchung@donga.com