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[オピニオン]「運転からの引退」の適正年齢は

[オピニオン]「運転からの引退」の適正年齢は

Posted March. 22, 2014 08:48,   

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三星(サムスン)グループの李健熙(イ・ゴンヒ)会長の長女である新羅(シルラ)ホテルの李富眞(イ・ブジン)社長の美談が、ネット上で話題となっている。模範タクシーの運転手・ホン某氏(82)が、ホテルの回転ドアに突っ込み、客が怪我をし、ドアは大破損した。4億ウォンを超える被害賠償金を払わせる立場におかれていたが、運転手の貧しい経済事情を知った李社長が、弁償義務を全て帳消しした。その太っ腹な配慮も驚くべきことだが、一部では、80歳のタクシー運転手がいることのほうが、より驚くべきことだという反応が持ち上がっている。

◆高齢の運転免許保有者は、05年の87万5000人から10年は106万2000人へと年々増えている。女性運転手を、「キム女史」とひっくるめて貶めるように、ハンドルを握る高齢者を全て要注意運転手扱いすれば、「高齢者への差別」になるだろう。米国では、「1946〜1956年生まれのベビーブーム世代が高齢者になれば、交通安全に大きな脅威になるだろう」というかつての懸念が、間違ったことを裏付ける資料も出ている。最近の高齢運転手らは、肉体的、精神的にさらに元気になっているうえ、自動車安全システムが進化し、20年前の同じ年代の運転手より、事故に会う可能性が少ないという研究もある。

◆それでも、歳月に打ち勝つことなどできない。年を取れば聴力や視力はもとより、柔軟性や敏捷性が足りず、突発的状況への対処能力も落ちる。急加速や急停止などの悪い運転習慣が日常となっている我々の道路では、危険がさらに増さざるを得ない。我々に先立って、対策作りをしたニュージーランドでは、80歳になれば、運転免許が抹消され、2年ごとに再び試験を受けることになる。英国では70歳を超えれば、3年ごとに医師の所見を添付してこそ、免許更新が可能となる。

◆ほかのドライバーらが、過度に早いスピードで運転しているような気がする、道路の標識を見て反応するのに時間がかかる。加速ペダルからブレーキ、ブレーキから加速ペダルへと切り替えるのに困難を覚える…。米国人らが「運転からの引退」に悩む時に参考にする項目だ。高齢のドライバーが運転する車に乗れば、不安を感じるという人たちが少なくない。自分の車の運転もさることながら、公共交通の運転は、他人の命や安全と直結している。年齢と体の変化による免許更新などの規制は必要な気がする。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com