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[オピニオン]ソウル大学声楽科の「とんでもないオペラ」

[オピニオン]ソウル大学声楽科の「とんでもないオペラ」

Posted March. 05, 2014 06:52,   

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10年、ソウル大学声楽科学科長のキム某教授が、教え子に頻繁に暴行を加えたという疑惑が持ち上がった。SBSの芸能番組「スターキング」に出演し、大衆に広く知られている声楽家だった。学生らの証言によると、演奏会で拍手の音が小さかったり、割り当てられたチケットを売りさばくことができなかったことを理由に、暴力を振るったという。彼女の義母の80歳の誕生日に、教え子らがお祝いの歌を歌う動画が、インターネットを通じて広まった。ソウル大学は、彼女に罷免処分を下した。彼女は、訴訟で立ち向かったが、昨年末、ソウル行政裁判所が原告敗訴の判決を言い渡した。

◆ソウル大学声楽科の教授らの言動が再び、批判を受けている。教授採用を巡って浮上した教授陣の激しい対立や争いが連日、報じられている。専任教授の枠は8人であり、現在は4人が空席となっている。早く後任教授を選ばなければならないが、最終候補に上がったシン某氏を巡り、教授らがふたつに分かれて、泥沼の中で戦っている。一人の教授は、公開採用の秘密書類に属する採点用紙を研究室に持ち帰り、新任教授の任用を促す請願書を出した大学院生は、教授から脅迫電話を受けた。学科長教授までが退任し、国楽科の教授が、臨時の学科長を引き受ける未曾有の事態へと広まった。

◆派閥間の戦いや教授採用を巡る議論は、韓国大学の古くからの問題だ。音楽学部や美術学部など、実技試験を通じて学生を選抜し、内弟子の形で教育が行われる芸術系大学の場合、さらに激しい泥沼合戦が繰り広げられている。同じ学科内に、自分の人を一人でも増やしてこそ、発言権が大きくなるという理由からだ。既得権を守ろうとする戦いだが、けん制できる人などあまりいない。

◆韓国最高の知性が集まった学問の殿堂、それも、審美的感性を教えるべき声楽科の教授達が見せた不協和音は、恥ずかしい限りである。見るに見かねたソウル大学の内部からも、「声楽科廃止論」まで出ている。今回の騒ぎは、内部で解決できるレベルを超えている。にもかかわらず、学校当局は、「自分たちで決着をつけるべきだ」と手を拱いている。教授らの恥ずかしい限りのドラマ、いや、とんでもないオペラの幕を、今こそ下ろすべきだ。厳しい難問を乗り越えて入ってきた学生らに、恥ずかしいではないか。

高美錫(コ・ミソク)論説委員 mskoh119@donga.com