Go to contents

「IT文化が最も進んだ国だから」 韓国で起業したハーバード大卒のアクニャさん

「IT文化が最も進んだ国だから」 韓国で起業したハーバード大卒のアクニャさん

Posted January. 15, 2014 03:43,   

한국어

「昨年、オクスフォード辞典が選んだ今年の言葉は『セルフィ(Selfie=自分撮り)』です。既に韓国で約10年前から流行り始めた『セルカ』と全く同じ意味です。どうして私が韓国でスタートアップを創業したか、お分かりになったでしょうか」

13日、ソウル江南区駅三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)にあるベンチャー企業「ウルトラケプション」で、同社の共同創業者であり、米国支社長のアベル・アクニャさん(25・写真)に会った。アクニャさんは、韓国で起業した理由について「情報技術(IT)文化」が世界で最も進んでいるからだと話した。カカオトークやラインなど、韓国製のソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)が世界的に流行している理由も、韓国の文化競争力に秘訣があるという。

3年前に初めて韓国を訪問したアクニャさんが韓国人の仲間らと共同で会社を立てて発表した最初の作品は、セルフィ写真を共有できる「ノマルニチン(あんたではなく、あんたの友だちという意)」だ。自分の顔写真を撮ってSNSに投稿すると、相手方がトーナメント方式で自分の理想のタイプが分かるように助けるアプリケーション(応用プログラム)だ。日本や台湾などのアジア地域で100万回ダウンロードと3億回以上のクリック数を記録するほど高い人気を博している。

アクニャさんは、「プライバシー侵害だという批判の声なかでもセルフィ文化が人気を集めている理由は、人間は絶えず他人の関心を必要とするからだ」とし、「韓国の若者の積極的なセルカ文化が世界的に広がったのが、結局フェイスブックなどのセルフィ文化であるわけだ」と話した。

ハーバード大学公共政策科(行政学)を卒業し、ニューヨークやボストンなどでバイラル・マーケティング専門家として活躍していた彼が韓国行きを選択した背景には、韓国の挑戦的なスタートアップ創業者との出会いがあった。11年にソウル大生らが中心となって創業したSNS「クラスメイト」の関係者らが、ハーバード大学との交流のために彼の助けを要請したことがきっかけだった。アクニャさんは翌年、韓国へ渡って共同創業に乗り出すことになった。

スタートアップ創業の過程で最も衝撃を受けたのは、韓国の若者の偏った企業観だった。彼は、「韓国では優秀な能力を持った人は、三星(サムスン)や現代(ヒョンデ)自動車のような大企業に入社しなければならないという認識が広がっているのが残念だった」と話す。本当の人材はスタートアップをするという米国の感覚とは大きな隔たりがあったからだ。

アクニャさんは、「ソウルはニューヨークと比べてきれいで便利であるだけでなく、中国、日本などへ事業を拡張するにも最適だ。世界のどの国の人でも楽しめるSNSを作るのが夢だ」と抱負を語った。