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白血病の子ども、「夢のスパイダーマンごっこ」

白血病の子ども、「夢のスパイダーマンごっこ」

Posted December. 19, 2013 03:15,   

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「ニュース速報を伝えます。クリスマスプレゼントを届けるサンタクロースが悪者に拉致されました。スパイダーマンの助けが必要です。早く現れて救助してください」

18日午後2時。大田西区屯山洞(テジョン・ソグ・ドンサンドン)のギャラリアデパート大田タイムワールド店1階に設けられた特設舞台の大型画面に緊急のニュースが流れた。サンタクロースを待っていた舞台近くの買い物客の前には棒を手に持った悪者たちが現れた。漫画「スパイダーマン」の悪者であるゴブリンと囚人の服装をした彼の仲間たちは「サンタを人質に取っている」と言って、買い物客を脅した。

ちょうど登場したスパイダーマンと共に悪者を制圧した「英雄」はヤン・ヒソくん(忠清南道牙山市実玉洞、写真)。今年6歳の彼は、「一緒に悪者を追い返そう」というスパイダーマンのいきなりの提案に最初はやや怖がった様子だったが、すぐ勇気を出し頭を縦に振り大きな拍手を受けた。すぐ「スパイダーボーイ」の服装に着替えたヒソくんは、クモの糸のスプレー銃を撃ちながら、約50分間の追撃の末、悪者を追い返すのに成功した。

このびっくりイベントはギャラリアデパートが難病の子どものの願いを叶える慈善団体である韓国メイクアウィッシュ財団と共に企画したものだ。ヒソくんは昨年、急性リンパ球性白血病の診断を受けて、現在抗がん治療中である。

彼は3ヵ月に1度の脊髄検査と相次ぐ通院治療で厳しい状況でも、父とスパイダーマンごっこをする時、最もたのしそうな表情を見せる。そんな息子のため、母親のイ・ミヒョンさん(40)は今年10月、財団側に事情を伝えた。

ギャラリアと韓国メイクアウィッシュ財団は、先月米カリフォルニア州サンフランシスコで開かれた「バットキッド(Batkid)」イベントからアイデアを得て、似た性格のイベントを企画した。

米国メイクアウィッシュ財団は、バットマンになるのが夢の白血病の患者、マイルス・スコットくん(5)の願いを叶えるため、サンフランシスコ警察やマスコミ、市民の協力を得て、大規模なイベントを開催した。

「スパイダーボーイ」が誕生したギャラリアデパートのイベントも様々な支援のおかげで開催できた。映画監督のイ・ドンジュンさんはシナリオと特殊効果を活用した演出を受け持って現場を指揮した。ソウルアクションスクールの俳優は華やかなアクションと共に悪者に扮した。彼らはみんな無料で自分たちの才能を寄付した。

ヒソくんは現場を見守ったデパートの職員や買い物客から温かい励ましを受けた。母親のイさんは、「ママを守るためにスパイダーマンになりたいと言っている心の優しい息子が早く完治し、逞しく育ってほしい」と言って目頭を熱くした。