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張氏粛清で資金源まで…、金第1書記の全権掌握完成

張氏粛清で資金源まで…、金第1書記の全権掌握完成

Posted December. 11, 2013 03:35,   

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張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長の粛清で、金正恩(キム・ジョンウン)労働党第1書記が得たのは権力の強化だけではない。後継者に目された時からこれまで、金第1書記の権力掌握の過程は「資金の掌握」の過程といっても過言ではないためだ。張氏の粛清を通じて北朝鮮のすべての資金と利権は金第1書記を中心に回ることになった。1990年代中盤、北朝鮮経済の崩壊を機に始まった「銭の春秋戦国時代」は、2013年の金第1書記の天下統一で幕を下ろすことになった。

●腹心を通じて手に入れた資金源

2008年夏、脳卒中で倒れた金正日(キム・ジョンイル)総書記は、目覚めるやいなや金正恩氏を後継者とし、軍部の掌握から任せた。当時、北朝鮮には金総書記の資金である「党資金」と労働党作戦部、軍部の3つの大きな資金源が存在した。金第1書記はこのうち作戦部の資金源を掌握する作業から始めた。海外工作のために多くの海外基地を置いていた作戦部は、麻薬や偽造紙幣、兵器の密売で莫大な不法外貨を得た。1億6000万ドル(約1682億ウォン)分の麻薬が摘発され、2006年にオーストラリアで抑留された「ポンス号」事件も作戦部が行なったことだった。

金第1書記は、労働党作戦部と調査部(35室)、軍偵察局を統合して偵察総局を作る方法でこの問題を解決した。偵察総局長に腹心の金英徹(キム・ヨンチョル)上将を任命した。自然に作戦部の資金は金第1書記の手に入り、実力者だった呉克烈(オ・グクリョル)作戦部長は、歯の抜けた虎となった。2011年の金総書記の死去で、中央党38号、39号室など伝統的な金総書記の秘密資金は自然に金第1書記に継承された。

金第1書記の第2の刃は軍部に向かった。2012年4月、崔竜海(チェ・リョンヘ)氏を軍総政治局長に任命した後、軍部のすべての資金源を出すよう指示した。1990年代中盤以降、先軍政治を掲げた金総書記は、軍部が独自に外貨を得て軍を維持することを容認した。その後、軍部は数えられないほど多くの「基地」という名の外貨獲得会社をつくり、水産物や鉱物資源などを外国に輸出して金を得た。軍団級水産基地には、約50隻の船舶を所有するほどだった。崔竜海氏は総政治局傘下のすべての会社を金第1書記に捧げた。

●粛清で得た張氏の資金源

同じ時期、金第1書記の後見人だった張氏も権力を利用し、各種利権を早期に掌握した。首都建設の責任を負った張氏は、資金調達の名目で建設資材会社や鉱物資源会社などに腹心を送った。輸出と輸入の相場操作だけでいくらでも多額の金を得ることができたのだ。張氏ラインは、北朝鮮の石油事業も掌握した。油が1滴も出ない北朝鮮で石油の輸入は莫大な差益を得ることができる事業だ。処刑された張秀吉(チャン・スギル)行政府副部長が石油事業責任者だった。張秀吉副部長は、張氏の重要な秘密資金管理人でもあった。張氏はエジプトの通信会社オラスコムを引き入れて毎年数億ドルの収益が得られる携帯電話事業も始めた。政府傘下の保衛部と保安署の最も重要な利権事業も張氏が掌握していた。こうして張氏は、数十億ドルを動かす建設、通信、鉱業、海外資金誘致、対中貿易など、各種利権事業を掌握した。事業の名目は党資金や経済建設の資金調達だったが、実際に金を扱ったのは張氏の腹心だった。

張氏の粛清によって、張氏が育てた利権事業も一挙に金第1書記が手にすることになった。北朝鮮が発表した張氏の罪名には、「張成沢一味は巧妙な方法で国の経済発展と人民生活の向上で主要な役を担った部門を掌握し、内閣をはじめとする経済領導機関の本来の役割をできなくさせた。国家財政管理体系を混乱に陥れ…」という内容もある。今回の粛清の重要な理由が張氏ラインが掌握した利権のためであることを証明する。