「ワン・チーム、ワン・スピリット、ワン・ゴール(One Team, One Spirit, One Goal)」
一つのチーム、一つの精神、一つの目標を強調した洪明甫(ホン・ミョンボ)号のスローガンだ。サッカー韓国代表監督に就任した洪氏が「一丸となった精神」と「韓国型戦術」で代表チームを世界的な競争力を備えたチームに作り上げると、抱負を語った。
洪監督は25日、京畿道坡州市(キョンギド・パジュシ)のサッカー代表チームトレーニングセンター(NFC)で行われた監督就任の記者会見で、「我々はスペイン選手でも、ドイツ選手でもない。2014年ブラジルW杯までの残り期間、韓国選手が一番良くできる戦術を作りたい」と話した。
洪監督は、「国民が願っているのは、代表チームの勝ち負けよりは『変わった姿』だろう」と言い、自身が構想している戦術の概要を明らかにした。洪韓国は、「韓国選手たちは、相手のボールを奪うのがうまいのだが、一方で大変簡単にボールを奪われる弱点がある。ボールをキープする時間を増やせるよう、組織力を強化していきたい」と話した。また、強いプレスで世界的な強豪を相手にしても、簡単に突破されない守備力を作るという。
全体的な戦術の枠組みは、昨年にロンドン五輪で銅メダルを獲得したときの代表チームの近い形になりそうだ。
洪監督は、真面目さと献身性を持つ選手を抜擢する考えを示した。2009年のU20W杯から采配してきた具滋哲(ク・ジャチョル=アウクスブルク)ら、いわゆる「洪明甫チルドレン」も、徹底的に検証するという。洪監督は、「過去が未来を保証するとは言えない。彼らの1年前と1年後の競技力を全て分析して評価するだろう」と話した。朴智星(QPR)復帰論については、「本人の気持ちが重要だ」と話した。
洪監督は先月末までの約5ヵ月間、ロシアリーグ・FCアンジ・マハチカラの指揮官、ヒディンク監督の下で指導者研修を受けた。洪監督は、個人主義の強い外国選手を見て、韓国選手の練習態度と試合に臨む姿勢が素晴らしいと感じたと話した。洪監督は、「もう一度、韓国選手たちと一緒に仕事ができるチャンスがあると幸せだろうな、と思った。代表チームの指揮官を受け入れるよう、自分を動かしたのは、他ならぬ韓国選手たちだ」と話した。
ヒディンク監督も、洪氏の多くのアドバイスをした。洪監督は、「ヒディンク監督が『あなたが代表チームの指揮官になれば、私が首席コーチをする』と冗談を言ったこともある。ヒディンク監督は『代表チームの提案があれば、あなたの周辺の全ての状況を鍋に入れて煮込んでみなさい。そこから出た結果に障害があれは、指揮官を受け入れるな』とアドバイスした」と伝えた。洪監督は、「煮てみたら、(障害物が)何も出て来なかったので監督を受け入れた」と言って笑った。
洪監督の契約期間は2年だ。W杯ブラジル大会とアジアカップ・2015年オーストラリア大会の成績によっては、不名誉な状態で退く状況も考えられる。しかし「2年」という期間は、洪監督自ら選択したものだった。洪監督は、「大韓サッカー協会は、より良い契約条件を提示した。しかし、私は成績が良くなければ退くのが当然だと考える。また、長期契約を交わす場合、切羽詰った気持ちが弱くなる恐れがあるため、自分を鞭打つために協会に2年を提案した」と明らかにした。その上で、「1年という短い本大会までの残り期間がプレッシャーにはならないか」という質問には、「成功の秘訣は、良くない状況をうまく活用するところにある。人間は平穏な瞬間よりは、挑戦と葛藤を通じて評価される」と話した。