12月19日に実施される第18代大統領選挙がいよいよ100日後に迫った。会う人ごとに「誰になるでしょう」と声をかけ合うのが日常の風景になった。しかし、4200万の有権者にとって、「誰になるか」を考えるのではなく、「誰を選択するか」を悩まなければならない100日だ。5000万の国民がこれからの5年間をどのような大統領と一緒にやっていくのかということは、国家「安危」と国民生活の幸不幸に決定的影響を及ぼす。そのため有権者一人ひとりが、まさに自分自身の選択が重大な意味を持つという点を再確認する必要がある。
投票権を持つ満19才以上の国民が透徹した主権者意識を発揮し、「良い大統領」を選ぶことが実に重要なだけに、国民が「正しい選択」をできる判断の材料が正確かつ十分に提供されなければならない。個々の候補が多くの国政分野でどのような具体的な政策を展開するのか、また、その候補を出す政党と政治勢力はどのような政治を志向するのか、国民に詳しく明らかにしなければならない。そして、ある候補が大統領になった時、果たして公私の様々な面で国民の信頼と尊敬を受け、国政を率いていけるのか、候補のほぼすべての面に関する検証が選挙日までに行われなければならない。大統領とその家族の私的な欠陥も大統領に対する国民の不信を増幅させ、大統領職の遂行を難しくさせる恐れがあるため、「候補検証」を厳しくしなければならない。その役割のかなりの部分をメディアが担っている。メディアは、候補と各政治勢力に関する正確な情報を速かに国民に提供することで、国民の正しい選択を支えなければならない。
ところで、大統領選挙を100日後に控え、まだ投票用紙に名前を載せる候補が確定していない。与党のセヌリ党は8月20日に朴槿恵(パク・クンヘ)候補を確定したが、野党候補はまだ濃い霧の中だ。野党第1党の民主統合党は、早ければ今月16日、遅くても23日に自党の大統領候補を決定する。しかし、民主党の大統領候補が直ちに野党の最終候補になる可能性はほとんどない。安哲秀(アン・チョルス)ソウル大学教授(融合科学技術大学院院長)が出馬するかどうかによって変わらざるを得ない。統合進歩党の分裂といわゆる新進歩政党の創党も、安哲秀教授が無所属で出馬するのか、野党が単一候補を出すのかどうかの変数となり得る。
もはや安教授が出馬宣言を先送りしても、メディアは朴槿恵、安哲秀、そして民主党の有力候補を対象に厳しく検証するほかない。検証に対する逆攻勢は国民の選択権に対する妨害であり、挑戦であることを各候補陣営は認識しなければならない。そして、国民は検証を回避する候補を冷徹な目で見、判断の参考にしなければならない。