今年、首都圏大学に入学したイ某さん(19)は、夏休みの2ヶ月間、母親のチャン某さん(47)と一緒にソウル鷺梁津(ノリャンジン)の試験塾で、行政学の授業を受講した。大学を卒業してもなかなか就職できない時代だけに、いち早く9級公務員試験の準備に取り組むことを決めたのだ。
貿易会社で働いたが、出産後仕事を辞めた母親のチャンさんは、「公務員の年齢上限制廃止のニュースを聞いた後、漠然に考えていたが、今回、娘と一緒に本格的に準備することにした」とし、「老後に備え、起業などで悩むよりは、こちらの方がより一層安定的だ」と主張した。同塾の関係者は、「50代以上の受験生や、息子と同世代の大学生が講義室にいるケースも珍しくない」と話した。
親と子供の世代が一緒に「公試族(公務員試験の受験生を指すことば)」になっている。不安定な老後や高い就職競争率など、長引く不況を生み出した新風景だ。21日、インターパーク図書が11年7月から1年間、「資格・受験書」分野の販売動向について、通貨危機当時の08年と比較した結果、10代や20代の購入割合は33.6%から44.4%へと、40代と50代以上は20.6%から25.8%へと大幅に伸びたことが分かった。
これらの年代層で最も多く選んだ参考書は、ほかならぬ公務員関連受験書だった。20代女性や50代以上の男女が最も多く購入した資格・受験書のトップは、共に「9級公務員」関連図書だった。購入順位の2、3位も、一部の公務員試験に加点が与えられる「コンピューター活用能力」や「韓国史能力試験」関連図書を主流を成した。親と子供とが一緒に、9級公務員試験を準備している。
いち早く受験準備を開始したことを受け、10代や20代が受験書の主要購入層へと急浮上したことも、目を引いている。08年当時、30代の割合は45.8%と最も高かったが、今年に入り、20代が41.3%と30代(29.8%)を大幅に上回っている。10代も0.2%から3.1%へと目立って伸びた。
40代と50代以上が共に伸びた背景には、09年の公務員試験受験年齢制限の廃止や縮まった定年などがある。インターバーク図書のキム・ムンジョン・チーム長は、「在職中に早期退職に備えるため、『ひょっとしたら』という気持ちで、試験を準備する人が増えている」と分析した。特に、40代女性の増加振りが目立っている。08年ごろ、受験書市場での割合は7.9%に過ぎなかったが、今年に入り12.4%へと伸びた。
年齢とは関係なく、この1年間の受験書分野別ベストセラーを、08年と比べても、公務員関連受験書が圧倒的に伸びたことが分かった。教員任用試験や公企業、公務員試験に活用できる韓国史能力検定試験図書が含まれる「人文・社会・法律」分野は、6%から21%へと伸びた。公務員試験関連図書も、8%から16%へと伸びた。
一方、大手企業への就職準備に必要な職務能力検査など、「進学・編入・就職」関連図書は、08年の14%から12年は11%へと減少した。
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