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[オピニオン]ソウル大学の日本学専攻過程

[オピニオン]ソウル大学の日本学専攻過程

Posted October. 15, 2011 02:59,   

한국어

韓国にはいたるところに、奇妙な日本不在現象が残っている。韓国最高の国立大学であるソウル大学は、国内の全ての学科を網羅した最大規模の総合大学でありながら、日本学科が無いこともその現象の一つだ。根深い反日感情の上、「日本はどの国よりも我々はよく知っている」、あるいは、「日本は学問的に研究する必要の無い国」のような根拠の無い認識がその根底にある。ソウル大学が昨日、1946年の開校以降「64年間のタブー」を破り、東アジア言語文明学部を新設し、日本学専攻過程を設けることにした。

◆知日派である池明觀(チ・ミョングァン)元翰林(ハンリム)大学碩座教授は1973年、日本留学に発った。氏は日本についてよく知っているつもりだと考えていたが、いざ、着いてみたら、自分の知っていた日本とはずいぶん違っていて驚いたという。その実、韓国は日本についてよく知らない。大韓帝国時代や日本植民地時代に、韓国の多くの知識人が日本に留学に発ったが、日本について学ぶより、日本を通して西欧文化を学ぶことに偏った。植民地からの独立後、1970年代までは、日本への渡航もあまり無かったし、渡航しても韓国関連資料を探すレベルだった。1980年代を前後に、日本そのものについて勉強するための渡航を始めた。韓国には依然、50年前、100年前の日本文書を解読できる人材がほとんどいない。

◆ソウル大学は、日本最高の国立大学である東京大学に、韓国関連専攻学科が開設されない以上、日本学科を設けないという相互主義を固守してきた。01年当時、ソウル大学の李基俊(イ・ギジュン)総長と東京大学の蓮実重彦総長とがそれぞれ、日本と韓国専攻学科の設置に合意した。その後、東京大学は教養学部や人文社会系研究科・韓国朝鮮文化研究専攻の韓国語及び韓国学講師陣を大幅に増やし、ソウル大学は、日本研究所や言語学科内の日本語高級過程を新設した。

◆いまや、韓国と中国、日本の北東アジア時代を迎えている。中国が主要2ヵ国(G2)の一つに浮上したことを受け、これまで、近くて遠い関係を保ってきた3ヵ国は、緊密な協力を模索せざるを得ず、相互についてより多く知らなければならない段階に来ている。中国最高の名門、北京大学が09年、韓国語化を独立学科に格上げさせた。今回ソウル大学が、日本学専攻過程を設けることを決めた。東京大学の韓国語や韓国学講師陣はすでに15人程度と、1学科の水準だ。教科の歪曲問題や領有権紛争など、3国間に懸案はあるものの、問いただすことは問いただし、進展させることは進展指させるのが正しい方向だ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員 pisong@donga.com