真実は統計が物語る。
2位=アップル、7位=マイクロソフト(MS)、10位=IBM。「トップ10」に情報技術(IT)企業が3社も名を連ねている。10年前のトップ10には、シスコやMS、ボーダーフォン、インテルが入っていたが、ITバブルが崩壊してからシスコやボーダーフォン、インテルはリストから外された。
英経済紙フィナンシャルタイムズ(FT)が四半期ごとに集計する、時価総額基準の世界上位500社の順位に関する話した。今年2位のアップルは、10年前は上位500社に名を連ねることさえできなかった。
IT業種だけを見れば、変化の意味がよりはっきり見えてくる。同紙は、アップルをハードウェア企業と分類しているが、実際アップルはソフトも手がけている。とくに運営体制(OS)や電子出版、映像編集などのソフト分野では世界トップレベルを誇っている。
ソフトで世界トップのMSは、IT業界順位では2位についている。コンピューター事業を整理し、ソフトに集中したIBMは、10年ぶりに3位に躍り出た。10年前までは証券市場に上場すらしなかった「若い」企業のグーグルは8位に跳躍した。ソフトを物にした企業がIT産業全体を揺さぶっている。
●破壊を呼ぶ若い企業
このような姿は、国内IT産業にもそのまま当てはまる。10年前の01年8月10日の終値を基準に、有価証券や店頭市場(コスダック)上場企業の時価総額上位10社には、4つのIT企業が含まれていた。三星(サムスン)電子(1位)やSKテレコム(2位)、韓国通信公社(3位)、KTF(7位)だった。ところが5年が経った06年は、KTやKTFがトップ10から外され、ハイニックス(7位)やLGフィリップス(現在はLGディスプレー=10位)が新たに順位に入った。
10年前の政府主導の超高速インターネット事業で、通信銘柄が成長し、5年後には半導体や液晶表示装置(LCD)中心のハードウェア産業へと韓国IT産業が変わったのだ。しかし、このうち、11年現在、10位圏を守っているのは三星電子のみだ。
今年の順位では、インターネットやゲーム会社の躍進が目立つ。ポータルサイト「ネイバー」を運営しているNHNは、時価総額(約8兆9000億ウォン)では国内2位の電子メーカーであるLG電子を1兆ウォン以上上回っている。
オンラインゲーム大手のNCソフトは、LG電子を3000億ウォンの差まで追い上げている。1990年代末に新たに登場したソフト中心のベンチャー企業が、いつの間にか成長し、世界有数の電子メーカーレベルの価値を認められたことになる。
先週、米国で行われた2つの発表が、このような変化をはっきり象徴している。創業13年目のグーグルが、世界初の携帯フォンメーカーで83年の歴史を持つモトローラの携帯フォン事業部を買収し、「シリコンバレーの象徴」といわれていたパソコンの世界最大手であるHPが、PC事業部門を放棄した。
グーグルがハードウェア企業を脅かす存在として浮上すると、遠く離れている三星電子やLG電子などの株価が軒並み急落した。HPがパソコン事業部門を放棄したのも、グーグルのようなソフト専門企業と直接競争する代わりに、企業対象のITコンサルティングやソリューション販売に集中することを意味するものだ。
とくに伝統的企業だが、革新を通じて様変わりしたアップルは、さらに驚くべき姿を見せた。同社は、「スマートフォン」や「タブレットPC」のように、すでに存在していたが「隙間市場」といわれてきた市場で優れた商品を作り出し、大衆を熱狂させる大規模な市場への変えた。
●いったい何が変わったのか
このような新しい変化は、IT産業だけに該当するものではなく、現代産業全般を変える引き金になっているという指摘もある。ITが産業全般へと広がる、いわば「ITの第2次革命」だという。「ITの第1次革命」は、ITそのものから新しい付加価値をつくり出した10年前のドットコムバブルを意味する言葉だ。
当時の第1次革命を下に、グーグルやヤフー、NHNなどの新しい企業が生まれた。しかし、最近はITをよく理解する企業各社が、従来の産業全般から革新をもたらし、最大限の効率化を図っている。
シンヨン証券アナリストの李スンウ氏は、「今起きているIT革命は、資源の効率化だ」とし、「例えば、現在地球上には約15億台のパソコンがあるが、事実、このうち3分の2は電源が切れている。だが『クラウドコンピューティング』のような技術を利用すれば、このような非効率を減らすことになる」と主張した。
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