旧正月の連休を控え、故郷訪問に胸を騒がせている国民と違い、ファンを喜ばせるために、気を引き締め、覚悟を決めているスポーツスターがいる。
08年北京五輪で韓国競泳史上初めて金メダルを獲得した「マリンボーイ」朴泰桓(パク・テファン、22=檀国大学・写真)。09年ローマ世界競泳選手権大会全種目決選進出失敗という大きな挫折を経験した彼は、一層成長していた。旧正月の連休中も、ソウル泰陵(テヌン)選手村で練習に励む彼は、8日、豪州ブリスベンへ54日間の転地トレーニングに発つ。7月、中国上海で開かれる世界選手権に備えたトレーニングだが、長期的には、12年ロンドン五輪の金メダルを狙いに定めた航海のスタートだ。
五輪の金メダルに安住し、練習を疎かにした過去とは全く違う。昨年、広州アジア大会3冠に輝き、復活に成功した朴泰桓は、2ヵ月以上休みながらも、緊張の紐を緩めなかった。毎日、水泳場を訪れて水を掻き分けた。
「国民の関心がプレッシャーでした。一時、私にとって水泳は賭博と一緒でした。水泳を楽しむよりは、一か八かの考えが強かったです。しかし、昨年、広州で良い成績を収め、尊い教訓を得ました。大変な時は、09年の悪夢を思い出しながら耐えるんです」
朴泰桓は五輪を制覇しながらも、「私はまだまだトップクラスではない」と気を引き締める。「運良く金メダルを取っただけで、テクニックの面では、世界最高のレベルに達していない」というのが彼の考え。短所として指摘されるスタートとターンの動作を補完するために、マイケル・フェルプス(米国)など、世界的な選手のビデオと専門書籍を読んで研究する。
朴泰桓は、「正直、1人で練習するので、寂しくてつらい。しかし、私自身と不安のために最善を尽くす。もっと頑張れるように応援していただきたい。批判よりは褒め言葉が、私を元気付ける」と明るい笑顔を見せた。
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