「BBK事件」をめぐり、金ギョンジュン容疑者側とハンナラ党がそれぞれ「決定的な証拠」を提示し、終盤の決戦を繰り広げている。
エリカ・キム氏は23日、マスコミを通じて、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)大統領選候補がBBK株を保有した内容を含む「ハングル裏契約書」の原本だと主張し、書類を公開した。ハンナラ党はただちに、「契約書に押された実印は、李候補のものではなく偽造されたものだ」として、「印鑑申告書および印鑑証明書」を公開した。
●ハングル契約書の実印の真偽攻防
エリカ・キム氏はマスコミのインタビューで、李候補がBBK株61万株を50億ウォンで金ギョンジュン容疑者に売却する内容が記されたハングル裏契約書を公開した。同契約書は、「株売買契約書」というタイトルのA4用紙2ページの分量だ。
金氏側は、同契約書の最後に李候補の名前と実印が押されてあるという理由から本物だと主張した。
これに対して、ハンナラ党はただちに反撃した。同契約書に押された李候補の実印は李候補のものではないとして、「印鑑証明書」を公開した。印鑑の文字の形が違うということだ。
洪準杓(ホン・ジュンピョ)クリーン政治委員長は、記者会見を開き、「2つの印鑑を比べてみると、『明』の『月』の下段の曲がり具合が違う。『博』の偏の位置も異なる。肉眼で見ても同一の印鑑ではない」と述べた。洪委員長は、印鑑証明書だけでなくこの実印が使われた「LKeバンク理事会議事録」「プットオプション契約書」も証拠資料として提示した。
●契約書の締結時、別の実印を使用
エリカ・キム氏が公開したハングル契約書は、00年2月21日に作成された。しかし当時、李候補が契約書にある実印を使っていないことが明らかになった。
ハンナラ党はこれを立証するために、李候補の「印鑑申告書」を公開した。印鑑申告書によると、李候補は00年4月24日に印鑑を紛失し、新しい印鑑を該当官庁に届け出た。しかし、エリカ・キム氏が提示した00年2月21日に作成されたハングル契約書には、新しい実印が捺印されている。ハングル契約書に捺印された実印が偽造されたものでないとしても、印鑑証明を申告してもいない印鑑を契約書に押したことになる。
洪準杓委員長は、「金氏側が契約書を任意に作成し、李候補の印鑑が途中で変わった事実を把握していなかったのだろう。変わった印鑑の文字の形を見て、急いで作ったことは明白だ」と述べた。
金氏側は、このようなハンナラ党の反ばくに対して、今のところ何の反ばくもしていない。
●署名がなく、誤字だらけの契約書?
ハングル契約書には、李候補の署名が抜けている。印鑑が捺印されているだけだ。洪委員長は、「同時期に5億ウォンの契約をした際、李候補は署名と捺印をしている。50億ウォンの大きな取り引きで署名をしないだろうか」と主張した。
契約書の誤字も指摘された。洪委員長は、「伝え聞いたところでは、契約書に誤字があり粗悪だという。誤字があちこちにあることに、大統合民主新党の金鍾律(キム・ジョンニュル)議員が『金ギョンジュン容疑者が米国人だからだ』と言うが、これは結局、韓国語が下手な金ギョンジュン容疑者が同文書を直接作成したという証拠ではないのか」と述べた。
●契約書の内容も事実と違う?
ハングル契約書によると、李候補がBBK株の60万株を50億ウォンで金ギョンジュン容疑者に売却したことになっている。
これに対してハンナラ党は、金氏が南大門(ナムデムン)税務署に届けた「株式等変動状況明細書」の写本を提示し、「00年5月9日まで、eキャピタルがBBKの全株式の98.36%にあたる60万株を所有したとなっている」と反ばくした。BBKの株式が第3者所有だったため、李候補がこの株を売ることはできないという話だ。
●攻勢転換、李候補陣営VS金氏
李候補は23日、国会で開かれた議員総会で、「私が株価操作やBBKを所有したという問題について、検察が捜査が終わり次第明らかにすることを求める。検察が登録までに(捜査結果を)発表しなければ、起訴する時にでも発表しなければならない」と自信を見せた。
羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは、「今日で裏契約書の主張が明白な嘘であることが立証された。金ギョンジュン一家の詐欺行為の馬脚が現われた」と主張した。
ハンナラ党は、22日にエリカ・キム氏のインタビューを30分ほど放送したMBCを抗議訪問した。
沈在哲(シム・ジェチョル)院内首席副代表を団長とする抗議訪問団は23日、MBC本社を訪れて再発防止を求めた。また、虚偽事実の流布による選挙法違反に該当するかどうかを検討してMBCを検察または選管に告発する方針であり、偏向放送対策特委を構成した。
ハンナラ党の攻勢に対して、金氏側は反応を示していない。
大統合民主新党は、BBK事件に対する迅速な捜査を求め、検察を圧迫した。金孝錫(キム・ヒョソク)院内代表は、院内対策会議で、「検察の一部に、文書の筆跡鑑定などの理由から、候補登録前に捜査結果を発表することは難しいという声があるけれども、文書、筆跡鑑定がどれほどかかるか知らないが、ただ待てというのか」と主張した。
mhpark@donga.com






